米国債券相場で一時織り込まれていた米国経済の景気後退入りリスクが後退しつつある。本年の8月には長短金利差の逆転が一段と深刻化。8月時点で、2年債と10年債の利回り差は‐6.6となった。マイナスの差は2007年6月以来で最大となった。

その後、米中貿易問題が少なくとも一段と悪化する可能性が少なくなったことや、英国総選挙での与党勝利で速やかな合意ない英国の離脱リスクも軽減したため景気先行き見通しが少しづつ改善。逆転していた長短金利差も正常化に戻し、18日は2年債と10年債利回りはプラス29.38と6月来で最大のプラスとなった。

米中は「第1段階」貿易協定で合意。トランプ政権は対中追加関税発動を見送ったほか、一部の関税を引き下げた。このため、一段の製造業セクターの悪化はまぬかれると期待されるほか、11月の雇用統計の結果は米国の労働市場が引き続き力強い証拠を示し、消費が今後の成長を支えていく可能性が期待されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の高官の多くは2020年の1年間通じて、政策金利が据え置かれると予想している。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米リセッション懸念が後退、米債利回り曲線がスティ—プニング