皆さん、こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

米中通商協議については先週も懸念が続く状況でしたが、週後半には中国商務省の報道官が問題を冷静に解決するとの意向だと報じられたことや、トランプ米大統領が米中対話の予定があると明らかにするなど米中双方で対話姿勢を示したから、通商協議再開期待などで過度な懸念は和らぎ、週間でダウ平均は約3%上昇し4週ぶりに反発するなど主要3指数ともに上昇しました。ただ、米2年債と10年債の逆イールドが続くなど世界的なリセッション懸念もくすぶっていました。

また、英国による約5週間の議会休会が明らかとなり、ハードブレグジットへの懸念が高まったことなどが相場の重しとなりました。為替市場ではハードブレグジット懸念からユーロが対ドルで2017年5月以来の安値(1.0963ドル)をつけました。ドル/円は一時104円台まで下落しましたが、週末には106円台に回復している状況です。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

まずレポートでは引き続き米中通商協議の展開に注目しており、『9月中に開催が予定される見通しの通商協議を巡る両国からの要人発言等を注意しながら神経質な値動きが続くものと予想されます』と言及しています。

一方で『米中間の対立は8月23日の中国の報復関税に対するトランプ大統領の激昂で一旦のピークに達した感もあり、それ以上のショッキングな動きがない限り、大幅な下振れは沈静化される』と別の視点も紹介しており、『米中間の通商交渉を巡る行方は主要各国の金融政策の行方を大きく左右することから、進展か後退か、期待か失望か引き続き注目されます』とまとめています。

ドル/円については市場では9月の米利下げがほぼ織り込まれているようですが、『9月6日の米8月雇用統計も9月FOMCでの金融政策の行方を占う上で注目されます』と伝えています。

レポートでは『8月23日の高値である106円73銭を上抜け、日足・基準線にあたる106円87銭、さらには7月31日の高値(108円99銭)から8月12日安値(105円05銭)までの下落後の高値である8月13日高値(106円98銭)を上抜けることができるかポイントとなります』と紐解いており、『この水準を上抜けることになれば、先週8月26日の安値(104円43銭)を下値に一旦の底打ちを確認することになります』と考察しています。

為替の値動きを占う上でも、今週発表の米8月ISM製造業・非製造業景況指数、8月雇用統計などの米経済指標が『米2年債・10年債の逆イールドの状況からの回復』につながるか注目しています。

そのほか、下落するユーロの今後の値動きについては『引き続き上値の重い値動きが予想』されると伝えており、『来週9月12日のECB理事会での大幅な緩和観測を背景に一段安となるか、独7月鉱工業生産やユーロ圏7月小売売上高など一連の指標に対する反応が注目されます』と分析しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米中貿易戦争や経済指標の動向と米利下げの行方に注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)