こんにちは、フィスコマーケットレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。先週は、原油市場が急落しましたね。

松永さんのブログ、松永総研では、13日の原油市場の値動きについて『これといった新たな弱材料は見当たらなかったようですが、前日同様に「トランプ大統領コメント」や「OPECの需給見通し」などが弱材料視されたようであり、12営業日続落となった事でセイリング・クライマックスにより下げ足が加速したというところでしょうか』との見解を述べています。

「トランプ大統領コメント」については、『トランプ大統領は12日、自身のツイッターで「サウジアラビアとOPECは石油の減産をしないよう希望する。原油価格は供給によって低下させなくてはならない。」とコメントしました』と伝えており、主要産油国による減産の動きをけん制するようなコメントが嫌気されたもようです。

「OPECの需給見通し」では、OPECの2019年の石油需要見通しは予想を下方修正したものの、加盟国の10月の産油量が増えていることが原油価格を圧迫。世界的な原油の供給過剰への懸念が広がっています。同レポートでは、『サウジのファリハ・エネルギー相は12日、「産油国は10月の水準より日量約100万バレル減産する必要がある」と述べました』と伝えています。

また、OPECのバルキンド議長の12日の発言については、『「特に米国のシェールオイルなど非OPEC加盟国による供給が再び拡大しており、現在のような不安定な均衡を保っている相場に大きな圧力がかかっている。警戒すべき状況が始まりつつあるようにみえる」と述べ、需要に対しては、「2019年に伸びが鈍化する兆候が表れ始めた」と述べました』と言及しており、供給過剰への警戒感を滲ませているようです。

12月3日に予定されているOPEC総会では、日量100万バレル程度の減産決定の可能性が高いとも報じられています。

続けて、13日に公表された国際エネルギー機関(IEA)の「世界エネルギー見通しの2018年版」を分析し、『IEAの中心シナリオでは、原油需要は2025年までは年間平均で日量約100万バレル増え、その後は年間平均で日量25万バレル増加するという見通し』と述べています。このほか、『生産関連施設への投資の減少から2020年代初めに深刻な供給不足が生じるおそれがあるとして、「我々の予想以上に米国が生産を増やさなければ、2020年代初めに価格の上昇圧力が強まるかもしれない」と警告しております』と伝えています。

テクニカル的には下落トレンドとなっていますが、松永さんが『NY原油が4ドル強の大幅下落となり、12営業日続落となってセイリング・クライマックスの様相を呈してきました』と考察するように、売る人がこれが最後となり、株価のリバウンドが見込めるとすれば、押し目買いのタイミングが到来すると判断できるかもしれません。

上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の11月14日付「原油市場」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY原油が12営業日続落、セイリング・クライマックスとなるか? サンワード貿易の松永氏(三井智映子)