この週末、私の愛犬が天に旅立ちました。19歳2か月、人間でいえば93歳の大往生でした。

「悲しみ」を英語でgriefと言いますが、語源は重力を表すgravityと同じです。今週は米国の中間選挙に触れるべきタイミングでしょうが、悲しみの「重さ」で押しつぶされそうになり、頭が回りませんでした。

ニーチェは「あなたを殺さないものは、あなたを強くさせる」と言っています。どんな困難でも、押し潰されなければ、強くなって戻ってくることができる、というこの言葉は、今の心に響きます。

そういえば、前職で、リーマンショック後に株価がひたすら下がり離職者も続出する中、あるシニア・マネジャーが、「それでも株価はゼロにはならない、いつかは必ず戻る。信じて業務に集中しよう」と言った言葉を思い出しました。実際それから、市場は大きく復活しました。

ショックによる重圧もいつか癒える。強くなって戻ってくる。世界経済の19年度見通しの引き下げが相次いでいますが、ショックが訪れた時こそ強い将来を信じたいものです。相場は人間の心そのものだという気がします。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:11/5配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 コラム【アナリスト夜話】:愛犬の死の重さ(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)