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深刻な人権侵害をもたらす中国の監視システムに亀裂が入ろうとしている。世界最大手の監視カメラメーカーが米国の制裁対象企業となる可能性がある。報道により、同社の株価は24日までの2週間で29%下落した。投資家は「ZTEの二の舞か」とささやいている。
9月10日、米ニューヨーク・タイムズは米政府当局者の話として、新疆地区の人権弾圧を重く見るトランプ政権は、少数民族の弾圧に繋がる監視システム作りに加担する中国企業を制裁対象に入れることを検討していると報じた。
すでに米政府機関は、世界大手監視カメラ製造メーカー、深センの海康威視(Hikvision)や大華科技等中国公司(DahuaTechnology)の使用を停止している。
両社は、ウイグル自治区での監視カメラ開発に政府と協働してきた。中国政府が「天網(スカイネット)」と名付けた全国展開するAI機能付き監視システムについて、中央当局は2020年までにさらに4億台以上、国内に監視カメラを設置する計画がある。
ブルームバーグ9月16日付によると、海康威視は貿易戦が激化する前の3月に株価はピークを迎え、2年間で株式価格を4倍に釣り上げた。しかし9月に入り、株価は8%下落し、中旬に入ってから20%下落した。
海康威視は中国監視カメラの40%、世界では11%の市場を占有する。
ある投資家は、海康威視はZTEの二の舞になると例えた。香港紙・蘋果日報は7月、中国国内情報筋の話として、対イラン制裁違反により米国から厳しい輸入制裁を受けたZTEは、経営破産の危機に陥っていると報じた。
*人権問題で監視カメラのICチップ輸出停止に
さらに、監視カメラの根幹機能をもたらすICチップの輸出禁止措置が欧米のメーカーや政府当局により図られているという報道もある。
英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの取材に答えた、監視カメラ開発に関わる北京の研究員によると、あるオランダ企業は、中国の監視システムに必要な技術の輸出を停止した。
また同研究員によると、中国は主に米国から輸入していた、監視カメラに画像認識機能をもたらすICチップの輸入をまもなく停止する可能性があるという。さらに、長らく中国本土へ機密製品の中継貿易を担っていた香港に対しても、輸出が止まっていると述べた。
中国監視システムの現場では、西側諸国の厳しい対応策の効果を実感している模様だ。「中共統一戦線への(対抗)組織が作られている、すでに行動に移している」と研究員は同紙に述べた。
トランプ政権は9月24日、第3弾となる20兆円規模の中国製品に対する関税の追加を発表した。国連人種差別撤廃委員は8月、新疆ウイグル自治区における100万人収容について、法的根拠のない拘束、収監をやめるよう批判する声明を出した。
米ポンペオ国務長官もペンス副大統領も8月以降、ウイグル自治区での人権弾圧と宗教迫害について言及し、中国政府を批判している。
米議会の中国問題委員会の共同代表であるクリス・スミス議員とマルコ・ルビオ議員は書簡で、トランプ政権に対して、中国人権問題に即時に取り組むよう求め、新疆ウイグル自治区での監視システムに加担する中国企業への制裁を提言した。
書簡の中で、海康威視(Hikvision)と大華科技等中国公司(DahuaTechnology)は人権弾圧に加担する企業として名指しされている。両企業は、中国政府の監視システムを受注しており、12億米ドルもの利益を出しているという。
(編集・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】
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