こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。6日にアメリカと中国が互いの輸出品に対して報復関税を発動する予定となっており、米中貿易戦争が始まるのではないか、と市場では懸念材料になっていますね。そんな中発表される今月の雇用統計はいったいどのような内容になるのでしょうか。住信SBIネット銀行の「米国雇用統計」レポートでは、以下のように今回の発表内容を予想しています。

その前に前回5月の米雇用統計のおさらいから。5月米雇用統計において非農業部門雇用者数が予想の+19.0万人を大きく上振れし+22.3万人となりました。また失業率は予想3.9%よりこちらもよい結果となり3.8%と18年1カ月ぶりの水準に。注目されている時間給賃金は前月比+0.2%、前年比+2.6%の予想から、前月比+0.3%前年比+2.7%と総じて米景気の力強さを表す結果となりました。この良い結果を受けてFRBが今年4回の利上げを実施するとの観測は高まっており、ダウもドルも上昇しました。

レポートでは、『失業率の低下に伴い、低学歴層の賃金上昇ペースに加速傾向が見られるなど、低失業率に裏付けられる労働市場の逼迫が本格的な賃金上昇に結びついていくのか、今後の時間給賃金をはじめ個人消費支出デフレーターなどインフレ指標がFRBの年4回の利上げ確率を高めるか注目されます』との見解を示しています。

では、6月の雇用統計のポイントはどうでしょうか。レポートでは利上げペースについて言及し、『6月20日(水)にポルトガルで開催された金融フォーラムの席でパウエルFRB議長は「米国経済の底堅い成長や低水準の失業率、FRBの目標近辺にあるインフレ率は、継続的な利上げの強い根拠になる」と発言し、利上げに前向きな姿勢を示しました』と紹介しています。

また、『こうした中、先週末6月29日(金)に発表されたFRBが注目するインフレ指標の一つである個人消費支出コアデフレーターは、前年比+2.0%へ上昇したほか、エネルギー・食料品を含めたデフレーターは2012年3月以来となる前年比+2.3%へ上昇するなど、の掲げる+2.0%の物価目標を上回る結果となりました。こうしたインフレ指標は結果的に6月20日(水)の利上げに前向きな姿勢を示したパウエルFRB議長の発言を支援することになりました』と伝えています。

6月の非農業部門雇用者数は+19.5万人、失業率3.8%、時間給賃金は前月比+0.3%、前年比+2.8%が予想されています。

また、同レポートでは、『今回の雇用統計で時間給賃金の上昇を確認し金利上昇につながれば、欧州や日銀、さらには豪・NZなど各国中銀との金融政策の方向性の違いを鮮明にすることでドルが対主要通貨で堅調地合いを維持することが予想されドル/円は111円台を固める可能性もあるだけに反応が注目されます』と分析しています。

米雇用統計の前哨戦である6月ADP雇用統計は前月比+17.7万人と、予想の+19.0万人や先月5月の+18.9万人を下振れる結果となっています。このレポートを参考に雇用統計に臨んでいただけると幸いです。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国雇用統計:5月の振り返りと6月のポイント「利上げペースはどうなる?」住信SBIネット銀行(三井智映子)