こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

GW中に発表された4月米雇用統計は全体的に予想より弱い結果となりましたね。先週も米卸売物価指数や米消費者物価指数(CPI)、米輸入物価指数が揃って予想を下振れし、FOMCによる利上げペースの加速懸念やインフレ加速懸念は後退したようです。こうした流れを受けてNYダウは2017年10月31日~11月8日以来となる7連騰を記録しました。米10年債利回りは3%をめぐる攻防が継続、ドル円は109円台後半まで円安進行しましたが、週末には109円台前半での推移となりました。

さて今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

レポートでは『今週も引き続き企業買収に絡む円売り観測や、米10年債利回りの3.0%台回復の可能性と共にドル/円は109円台前半を下値に再度110円台回復に至るのか注目されます』との見解を伝えています。

まずは経済指標について、『4日の雇用統計や10日の消費者物価指数から足許のインフレ加速懸念が後退する中、特に米経済の堅調地合いを確認する観点からGDPの約7割を占める個人消費の行方を占う4月の小売売上高(15日発表)のほか、4月住宅着工件数や鉱工業生産(16日発表)、さらには5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(17日発表)を受けて米長期金利の反応が注目されます』と伝えています。

さらに為替については、まず足元で下落トレンドとなっているユーロに言及し、『欧米の金融政策の方向性の違い(米FRBは緩やかな利上げ継続に対しECBは債券買入れ終了に慎重姿勢が伺えるなど不透明感)を背景に9日に昨年12月22日以来1.1823ドルへ下落後、10日には1.1947ドルへ反発したユーロが下げ止まりを確認するのか、独1-3月期GDP速報値やユーロ圏GDP改訂値、さらに独5月ZEW景況指数(いずれも15日発表)に対するユーロの反応も注目されます』と伝えています。

加えてドルについては、『ドルの対主要通貨での動向を示すドルインデックスは9日に200日移動平均線を上回る水準まで上昇後、反落に転じており一時的な調整に留まり再度ドル上昇となるのか、ドル高の調整(ドル安への転換)となるのか注目です』と分析しています。企業買収に絡む円売り観測から110円台回復を再トライするかが注目されるところですね。

またイランに対する経済制裁再開見込みから原油価格は先週3年超ぶり高値をつけましたが、米指標原油WTIの買越残高は4カ月ぶりの低水準となっており、原油先物はアジア時間14日の取引で小幅下落しています。原油価格についてレポートでは、『原油価格次第では米国のインフレ上昇への警戒につながるだけにその動向にも注目する必要がありそうです』と注意を呼びかけています。

そして気になる米中貿易交渉について、追加関税回避に注目し、『5月3日-4日に中国で開催された米中貿易交渉に続き、今週は米国で交渉が再開される中、中国の米製品の輸入拡大など妥協案を見出すことができなければ米国の追加関税措置発動への懸念も高まることになるだけに交渉の行方も為替市場への影響が懸念されるだけに注目されます』と伝えています。参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米利上げ加速懸念やインフレ警戒はひと段落か、為替や原油の動向も引き続き注視 住信SBIネット銀行(三井智映子)