皆さん、こんにちは。フィスコマーケットレポーターの三井智映子です。前回はアメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)と、政策決定会議の連邦公開市場委員会(FOMC)についてお伝えしましたね。そこで今回はFOMCについて見ていきたいと思います。

〇FOMC開催後の会見に注目

世界経済に大きな影響を与えるFOMCの後に発表される声明文には、世界中が注目しており、その内容は株価や為替を大きく左右します。声明文の内容や議長の会見の内容が市場の予想通りでも動くことが多いですが、予想と異なってサプライズとなればマーケットは本当に大きく反応します。

〇3月のFOMCはどうだったの?

では2018年3月のFOMC後の会見はどうだったのでしょうか。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1.5−1.75%のレンジに引き上げることが決定されましたが、これは市場予想通りでサプライズはありませんでした。

気になる2018年の利上げペースに関しては、3回との従来の予測を維持しました。最近数ヶ月で経済の見通しは更に強いものとなったと、経済見通しでは伝えており、今後の経済については少し強気な目線になったように感じられます。

また、注目されていたパウエル新議長初の記者会見は、イエレン前議長時代からの政策の継続性を示唆したものの、アメリカ経済の先行きには楽観姿勢かつ慎重な姿勢であり、目新しいものはなく、無難であったと考えられます。米10年債利回りが少しあげたのち、2.88%とやや低下して着地したことを見ても「パウエル議長の発言は思ったほどタカ派ではなかった」ということではないでしょうか。

経済見通しの強まりに反して予想利上げ回数が据え置かれたことで、ドルは失望売りのドル安につながりました。金融政策決定後の記者会見は3、6、9、12月の年4回行われていますが、この会見を増やすことを慎重に検討する、とのことでそちらも注目です。

〇今後の展開も想定しておく

今回のFOMCでは今年の利上げ回数は据え置きになりタカ派的でないとの見方がある反面、2019年の利上げが積極的になるのではなど、利上げペースは実質加速するとの見通しもあるようです。さらに、英国をはじめ欧州や日本など先進主要国の中央銀行も金融緩和から「出口戦略」を模索する可能性が高まったのではと考える識者もいるようです。中央銀行の政策が変わると流れがガラッと変わりかねないのでさまざまな可能性を押さえておきたいところですよね。

出口戦略がどうなっていくのかしっかりチェックしていきたいですが、リーマンショック前以上に景気が回復していると言われるのに当時の金利水準と比べるとまだまだ低金利だということ、欧州や日本の中央銀行の政策が路線変更されていないことも認識しておきたいですね。

〇先物で売買チャンスを逃さない

FOMCを始め各国の金融政策は投資家が注目しており、サプライズや変更があれば大きく動きます。その際にチャンスを逃さないようにするためにもカンタンに、長い時間取引できると投資商品というのは魅力がありますよね。指数先物取引のオンライン取引は、パソコン(PC)やスマホから誰でもカンタンに取引することができます。また取引時間も日中立会の8:45~15:15のほかに、夜間立会の16:30~翌5:30、オプション取引は9:00~15:15と16:30~翌5:30と、個別株に比べて長時間取引が可能です。そのためニュースで価格が動いた時に、取引時間外だからと機会損失する恐れも減ります。この連載を通して先物に興味を持っていただけると嬉しいです。

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「ゼロからわかる先物・オプション取引入門」は、三井智映子の見解でコメントしています。


フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ゼロからわかる先物・オプション取引入門(16)FOMCの影響(三井智映子)