アルゼンチン、ブエノスアイレスで19日から20日までの2日間にわたる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開幕した。トランプ政権が導入した鉄鋼・アルミの関税を受け、保護主義貿易に関する協議や急速に拡大している仮想通貨の世界的な規制に関する協議が主要議題になると見られる。

米国のトランプ大統領はムニューシン米財務長官に「アメリカファースト」のアジェンダをG20諸国に納得させるよう要請。ムニューシン長官は、G20諸国からの批判に反論し、トランプ大統領が掲げる通商政策の正当性を説明することを強いられる。ムニューシン財務長官は19日イーメイル声明の中で、「G20での焦点は、トランプ政権の世界経済アジェンダを米国の企業や労働者にとり平等な水準に前進させることだ」とした。

一方で、ユーロ圏の官僚らは保護主義が不透明性を生み、世界経済の中期的リスクになると批判。さらにリスクとして、規制緩和、財政政策などを挙げた。代表者は声明草案で、不公平な貿易慣行を回避する公約を繰り返すことを主張した。米国が声明から「多国間の」の文言を削除するとの要求に対し、一部の諸国は反対、声明の最終案の作成は難航している。モスコビシ欧州連合(EU)委員は多国からなる機関による声明で、「多国間」との文言を削除することは理にかなわないと反発。

報道によると、トランプ大統領は23日までに対中で100以上の商品に対して600億ドル規模の関税を課する計画を発表する準備をしているという。他の貿易相手国にも対中貿易に対抗するよう求める。的を当てた貿易赤字是正の取り組みに一段と拍車をかけていくようだ。



<CS>

情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米国貿易赤字是正、トランプ大統領は的を絞った取り組みへ