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17日間の平昌冬季五輪が25日、閉幕した。これからは「五輪後」の朝鮮半島の情勢に注目が集まっている。金正恩・朝鮮労働党委員長の妹、金与正氏の訪韓で始まった南北交流。閉幕式に参加した金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長は、韓国の文在寅大統領に「米朝対話の意向がある」と伝えたが、北朝鮮の非核化については言及していなかった。このことから、本格的な会談が開かれるまではまだ先が遠いと見られている。
専門家らは、五輪による「平和ムード」が長く続くことはないと語る。米国の老舗誌「アトランティック」は26日、オリンピック休戦(OlympicsTruce)状態が持続できない3つの要因として、1▼米国の対北朝鮮制裁 2▼米韓連合軍事訓練 3▼北朝鮮の核・ミサイル実験を挙げた。同誌は、北朝鮮側から非核化の決断を下さない場合、米朝間の軍事衝突にまでつながると指摘する。
合わせて読みたい:北朝鮮、平昌五輪で狙う「外交の金メダル」 www.epochtimes.jp/2018/02/31268.html
*1▼米国の対北朝鮮制裁
トランプ米政府は最近、北朝鮮との対話に対して「オープン」だと強調しながらも、対北朝鮮制裁による経済圧力を上げ続けている。平昌五輪閉幕式に出席した金英哲氏が25日、文大統領との会談で朝米対話の意思を表したことについて、同日ホワイトハウスは「私たちは、対話の意向を示す北朝鮮のメッセージが非核化への道の最初の一歩を意味するのか、見守ろう」と述べ、制裁強化は北朝鮮が核をあきらめるまで続けると強調した。
米政府はオリンピック最中の23日、過去最大の対北朝鮮制裁を発表した。北朝鮮の石炭、石油、核・ミサイル部品の取引などを禁じ、国連安全保障理事会(安保理)の追加制裁からの抜け穴を厳しく取り締まる。特に今回は、北朝鮮を行き来する船舶を公海上での物資積み替え(瀬取り)に重点を置いている。
これらの対北朝鮮制裁は、北朝鮮に圧力をかけて非核化に向けた対話につなげる戦略だ。しかし、北朝鮮が制裁に屈する可能性は低く、圧力に対抗して核・ミサイルの威嚇が続けば、朝鮮半島の情勢はさらに悪化する。
*2▼米韓連合軍事訓練
米韓は平昌冬季五輪(2月9日〜25日)とパラリンピック(3月9日〜18日)の間には「オリンピックの平和精紳」に基づき、米韓連合軍事訓練を延期することにした。両国はパラリンピックが終わり次第、軍事訓練の再開を公式発表する予定だ。これに対して北朝鮮は、本訓練が北朝鮮侵攻の練習だと主張し、中断しなければ南北会談は成り立たないと反発している。
米紙ニューヨークタイムズは26日、文在寅政権は、連合軍事訓練を再び延期すれば米韓同盟体制に亀裂が入り、逆に再開すれば南北会談の可能性がなくなるとして、「板挟み」に陥ったと分析した。
*3▼北朝鮮の核・ミサイル実験
専門家らは平昌五輪の開始前から、北朝鮮は五輪開催期間は態度を緩和させるが、閉幕後は核・ミサイルの威嚇も再開すると警告してきた。特に最大規模で実施される今回の米韓連合軍事訓練の時期に合わせて、核実験を続けると予測した。
ダン・コーツ米国情報局(DNI)局長は、13日に開かれた上院情報委員聴聞会で、北朝鮮が今後数カ月の間にミサイル開発を再開し、追加の核実験をすることもあると強調した。また、アトランティックは、米共和党のリンジー・グラハム上院議員の発言を引用、北朝鮮が追加の核実験を断行するとトランプ大統領が北朝鮮の攻撃命令を下す確率は70%だと伝えた。
(翻訳編集・齊潤)
【ニュース提供・大紀元】
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