フィスコマーケットレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。東京金融取引所は2017年10月30日から「くりっく365」でメキシコペソと日本円の通貨ペアの取引を開始しました。政策金利がトルコリラや南アフリカランドと並んで高いことで人気となっています。

「くりっく365」のメキシコペソについてサンワード貿易の陳氏のレポートでは、『メキシコペソ円は、取引単位が10万通貨で、証拠金は11月10日時点で2万3780円(11月13~17日は2万3810円)で、10月30日から11月9日までの1日あたりのスワップポイントの平均値は118円』と伝えています。スワップポイントとは取引する通貨の金利差に応じて受け取れる金利のようなもの。スワップポイントで利益を得るにはメキシコペソは魅力ある通貨と言えますね。

メキシコペソの値動きについて、陳氏によると、『メキシコは米国経済との結びつきが非常に強く、メキシコペソは米国の政治・経済動向に左右されやすい』と伝えています。

具体的には、『米大統領でトランプ氏の当選を受けて、対ドルで急落したため、メキシコペソ円も急落した。2017年に入ってからも、トランプ政権の対メキシコ通商・移民政策に関する不透明感からメキシコペソの下落基調が続いた』ことを挙げています。

こうしたペソ安に歯止めをかけるため、『メキシコ銀行(中央銀行)が機動的な利上げを実施し、新たな為替ヘッジプログラムを発表』したことで、ペソは反発しました。しかし、『8月半ばに開始された北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉では、大きな進展が見られず、米国が保護主義的な通商政策を打ち出す可能性や、合意不成立の場合に離脱するリスクが意識され、10月半ばには、5月初旬以来約5ヶ月振りの水準に下落した』と分析しています。

しかし、『10月17日に米国・カナダ・メキシコの3ヶ国で共同声明を発表し、協議継続の方針が確認されたため、ペソは反発した』と伝えており、政策金利が高いことや価格水準が『年初高値からの0.38倍押し水準に相当し、押し目を形成しているといえそうだ』との見解を示していますので買い場探しも一考かもしれません。参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月10日付の「あれから1年 メキシコペソ円」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 高金利通貨メキシコペソが押し目買いチャンスか? サンワード貿易の陳氏(三井智映子)