今週は、引き続き米国の税制改革案の行方に注目が集まる。また、ドイツ、フランクフルトで、欧州中央銀行(ECB)が主催する会合に、ドラギ総裁、イエレンFRB議長、カーニー英国中央銀行総裁、黒田日銀総裁が参加。討論会での発言に注目が集まる。また、12月の米国の利上げの可能性を確認するため、小売り売上高、生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)に注目。英国と欧州連合(EU)離脱協議が引き続き焦点となる。10月の米国小売りは2年超ぶりの大幅な伸びとなった9月分からは鈍化する見通し。

米下院歳入委員会は修正税制法案を進めることで合意。この修正案では企業の海外留保資金の還流時に適用される税率の引き上げ(12%⇒14%)、パススルー事業体向けの税制の微調整などで、財政赤字の増加を抑える。早くて今週の下院採決に進む。税制改革案において下院案と上院案には大きな違いが指摘されているものの、税制改革実施への軌道を脱線させるものではないと議員は指摘。また、ムニューシン米財務長官は違いが微々たるもので、年内の成立が可能であると、繰り返し自信を表明している。共和党は、NJ、NY、バージニア州知事選で民主党に敗退後、2018年の中間選挙に向けて、税制改革の成立が不可欠になる。

■今週の主な注目イベント

●米国

12日:ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁がバランスシートの正常化に関して講演
14日:トランプ大統領がEASに参加、地域の安全保障に関して戦略を協議、

10月生産者物価指数(PPI):予想前月比+0.1%、前年比+2.3%(9月+0.4%、+2.6%)、コアPPI:予想前月比+0.2%、前年比+2.3%(9月+0.4%、+2.2%)

エバンス・シカゴ連銀総裁がECB会合で講演、イエレンFRB議長がドラギECB総裁。黒田日本銀行総裁、・カーニー英中央銀行総裁と討論会参加

ブラード・セントルイス連銀総裁が景気見通しに関して講演

15日:10月消費者物価指数(CPI):予想前月比+0.1%、前年比+2.0%(9月+0.5%、+2.2%)、コアCPI:予想前月比+0.2%、前年比+1.7%(9月+0.1%、+1.7%)、10月小売売上高:前月比0%(9月+1.6%)

エバンス・シカゴ連銀総裁が講演

16日:メスター・クリーブランド連銀総裁が講演、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が講演、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が講演、

●欧州
11日:ドラギECB総裁講演

14日:ドイツ、フランクフルト、欧州中央銀行(ECB)が主催する会合で、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニー英国中央銀行総裁、黒田日銀総裁が参加。

17日:ドラギECB総裁が講演

●英国
16日:カーニー英国中央銀行総裁が講演

●日本
13日:黒田日本銀行総裁がスイス、チューリッヒで講演

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:今週の注目:米小売り、PPI、CPI、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、黒田日本銀行総裁