高速道路網の整備が全国で進んでいる。2016年末時点の総延長は13万キロを超えた。エリアごとの高速道路密度は、上位から上海市、天津市、北京市、江蘇省、福建省、広東省、浙江省、河南省、山東省、河北省の順。密度首位の上海市では、1万平方キロ当たり1310キロが敷設されている。交通運輸部科学研究院、総合交通大数据応用中心が共同発表した「2016年中国高速公路運行大数据分析報告」に記された。

中国では1本目の高速道路が1988年に開通。2001年になって総延長がようやく2万キロに達した。その後は整備が加速し、2011~16年にかけた6年間で毎年平均1万キロが新たに開通。人口20万人を超える都市では、基本的に高速道路が開通した。

高速道路の社会発展の相関性は高い。特に東部、中部、西部の各地では、現地のGDP成長率と高速道路の交通量に比例関係がある。

通行車両の比率は、各種乗用車が全体の77%。残り23%がトラックとなっている。ただ、地域別では、観光需要の高まる雲南省、貴州省、四川省、広東省では、各種乗用車の比率が80%を超過。逆に資源埋蔵地の山西省、寧夏回族自治区、大型港湾を抱える天津市や河北省などでは、トラックの比率が40%近くで推移している。

国家が指定した重点物流道路では、北京とマカオを結ぶ「京港澳」の貨物輸送量が全国で最も多い。このほか貨物輸送が活発なエリアは、京津冀、長江デルタ、珠江デルタの3大経済圏だった。

一方、交通運輸部が報告した「2016年全国收費公路統計公報」によると、全国有料道路の収支は、16年に4143億3000万人民元(約6兆8500億円)の赤字となった。15年と比べて956億人民元(30.0%)増えている。16年は前年比で収入が11.0%増の4548億5000万人民元、支出が19.3%増の8691億7000万人民元に拡大した。支出の内訳は、元金返済が54.7%、金利負担が26.6%など。道路交通網の拡充を推進するなか、元利金の返済額は22.9%増の7063億8000万人民元に膨らんだ。

負債の総額は、9.1%増の4兆8600億人民元に上る。有料道路整備プロジェクトへの投資額は、過去からの累計で7兆5900億人民元に達した。

高速道路をはじめとする有料道路の総延長は、16年末時点で前年末比で6658キロ増の17万1100キロ(国内道路全体の約3.6%)。高速道路が7486キロ増、一級道路が136キロ増、二級道路が918キロ減、橋梁道路が46キロ減で推移した。二級道路を中心に、通行料の無料化を進めている。

赤道一周の距離は約4万キロ。有料道路の総延長は、中国全体で地球4周相当を超える。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国】高速道路の総延長13万キロ、密度最高は上海市