中国の保険料収入は今年1~6月、前年同期比23.00%増の2兆3140億人民元(37兆8837億円)に拡大した。しかし増加率は1~5月の25.88%を下回る水準。年初からの伸び鈍化が続いている。中国保険監督管理委員会が保険業経営統計で明らかにした。

「人身険」(生命保険や健康保険)の保険料収入は、26.03%増の1兆8287億人民元。伸びは鈍化が一段と進んだ。1~5月は29.89%に低下し、年初来初の30%割れを記録していた。生命保険は29.32%増の1兆5209億人民元(1~5月は32.65%増)、健康保険は10.87%増の2615億人民元(1~5月は17.03%増)で、いずれも伸びが鈍化した。一方で、「財産険」(家財保険や自動車保険)収入は12.80%増の4852億人民元に拡大。1~5月の11.65%増を上回る伸びとなり、人身険とは対照的だった。

保険業の資産運用総額は6月末時点で、15.4%増の14兆4998億人民元。伸びは5月の17.6%から鈍化した。3月に20%を下回り、以降10%台で推移している。銀行預金は2兆1593億人民元で、運用額に占める割合は14.9%と5月から1.5ポイント低下した。株式および証券投資基金は1兆7899億人民元で、全体比率は12.3%と5月から0.4ポイント低下している。他方、その他投資は5兆5851億人民元で、比率は5月から1.6ポイント上昇の38.5%。拡大基調を続けた。また、債券は4兆9654億人民元となり、比率は34.2%となって、5月から0.3ポイント上昇。運用額に占める割合は上昇に転じている。運用額に関しては、8月3日に保険業監督管理委員会が追加情報を公表した。株式投資割合は7.13%で、2016年末から0.23ポイント上昇、証券投資基金は同1.17ポイント低下の5.22%となっている。

保険会社の資金運用収益は1~6月に3717億3400万人民元となり、前年同期比で26.2%増加した。うち債券収益は6.3%増の989億人民元、長期株式投資収益は9.3%増の595億人民元。上半期の資金運用収益率は2.62%で、株式投資環境の改善により安定推移した。

1~6月の保険金支払額は、9.9%増の5785億人民元。伸び率は2016年通年の21.2%と比べて低下したている1~5月は10.1%増だった。

保険業でも新規業務の開発が進められ、一定の成果を上げている。上半期のインターネット保険における「創新業務」の契約件数は46億6600万件で、前年比123.55%増に急拡大した。返品輸送費保険が27億3500万件と半分以上を占め、前年比で53.01%伸びている。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国】1~6月保険料収入37.9兆円、年初来の伸び鈍化続く