こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

先週は米、欧、豪中銀の金融政策会合議事要旨が公表されました。FOMC議事要旨ではインフレ率が目標の2%に上昇する兆候がみられるまで追加利上げを見送るべきと主張する委員が多く、利上げを先送りする可能性が示唆されたことでドル売りにつながりました。

北朝鮮問題に関しては、ティラーソン米国務長官の対話を求める発言などの柔軟な対応が示されたことで、地政学リスクは一旦沈静化しました。しかし、スペインやフィンランドなど欧州でテロが相次いだことや、今週は米韓合同軍事演習が行われることもあり、地政学リスクを引き続き警戒すべきでしょう。

そしてトランプ大統領が白人至上主義団体と反対派の衝突で「双方に非がある」と発言したことで与野党の有力議員からも批判が高まっており、バノン主席戦略官を解任したトランプ政権への先行き不安がどうなるかも気になるところです。

さて、今週の注目ポイントはどこなのでしょうか?

「ウィークリーレポート」では、ジャクソンホール会議に注目しています。ジャクソンホール会議とは、米国ワイオミング州の景勝地であるジャクソンホールで、毎年8月に開催される経済シンポジウムのことです。イエレン議長の講演に注目が集まっていますが、ECBの債券購入プログラムに関して発言する可能性があることからドラギECB総裁の講演にも注意したいところです。

また、レポートでは、『先週公表されたFOMC議事要旨では低インフレへの警戒が懸念され、追加利上げには忍耐強く構える姿勢が示されたほか、9月のFOMCでバランスシートの縮小開始が適切と認識が示されました。しかし、ここに来てトランプ政権の政権運営能力が問われ、債務上限問題も懸念されるだけに、バランスシート縮小に向けたFRBの政策に影響が及ぶのか、一方で先週火曜日に発表されたアメリカの小売売上高が予想外に堅調だったことから、一部インフレ指標の改善によってイエレン議長の発言に影響があるのか注目されています。先週のECB理事会でユーロ高への懸念が示されたことでユーロの対ドル、対円での動きも注目です』と考察しています。

そして引き続き北朝鮮を巡る地政学リスクも押さえておきたいところです。レポートでは、
『北朝鮮情勢は一時的に落ち着いているものの、来週21日から始まる米韓合同軍事演習に対する北朝鮮の対応が注目されます。また、25日の金正日前書記が軍政を開始した「先軍節」の国内イベントもあり、国威発揚を目的にした挑発行動が懸念されます。それとともに、挑発行動を行った際のトランプ米大統領の対応や発言、また先週北朝鮮への制裁措置に乗り出した中国が、事態沈静化のために、更なる制裁措置を講じる可能性があるのか注目です』と伝えています。

最後に、今週の主な経済指標・イベントとして下記が予定されています。

22日
英:7月公共部門純借入所要額[PSNCR]、8月 CBI企業動向調査[総受注]
独:8月ZEW景況感調査
米:2Q住宅価格指数、8月リッチモンド連銀製造業指数

23日
ドラギECB総裁発言(予定)
仏:8月製造業PMI
独:8月製造業PMI
欧州:8月製造業PMI
米:8月製造業PMI、7月新築住宅販売件数、EIA原油在庫(前週比)、カプラン・ダラス連銀総裁講演

24日
日本:6月景気先行CI指数
英:2QGDP、8月CBI流通取引調査[報告済売上高]
米:8/19新規失業保険申請件数、7月中古住宅販売件数、8月カンザスシティ連銀製造業活動指数、米・ジャクソンホールで経済シンポジウム(~8月26日)

25日
北朝鮮:「先軍節」、
日本:7月全国消費者物価指数
独:2Q GDP
仏:8月消費者信頼感指数
独:8月IFO[景気動向]
米:7月耐久財受注

しっかりと押さえておきましょう。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ジャクソンホール会議のイエレン議長やドラギ総裁らの発言に注目! 住信SBIネット銀行(三井智映子)