こんにちは、フィスコマーケットレポーター馬渕磨理子の「eワラントジャーナルの気になるレポート」です。

eワラントジャーナルのコラムで「先週のNYダウの下落について」興味深い記事を見つけましたのでご紹介いたします。

北朝鮮リスクが気になる相場展開が続いていますが、先週末のダウの下落はそれだけが理由ではなさそうです。同コラムによると、『「北朝鮮リスク」に続いて市場が懸念材料としたことをひと言でまとめるとしたら、それは「トランプ・リスク」に他ならない』としています。政権の要職に就くメンバーの首が入れ替わる状態が続いており、『木曜日はゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任説が浮上し、ホワイトハウスはこれを否定したうえで、翌日、コーン氏の“天敵”とされる、スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問を解任』しています。

また、金曜日には『“モノ言う投資家”として知られるアイカーン氏も特別顧問を辞任』することを自らのサイトで明らかにし、『大統領の孤立化』が進んでいます。

ただ、市場が恐れていることは、トランプ大統領の辞任ではないようです。同コラムでは、『トランプ大統領が辞任し、マイク・ペンス副大統領が大統領となることを、むしろ市場は期待している』と述べています。

では、市場は一体何を恐れているのでしょうか。同コラムによると、市場が恐れているのは、『議会が再開する9月の混乱リスク』だそうです。具体的には、『「財政の崖」、「補正予算協議」、「税制改革論議」』の3つが挙げられています。『米国債の格下げを招いた2011年夏』や『自由の女神が閉鎖された2013年秋』に、「財政の崖要因」により米国株が大きく下落したことが記憶に新しいからだと同コラムでは述べています。

ただ、『過去の需給及びテクニカル等のデータ分析からストラテジーを推考』すると、今回のNYダウ下落は『“しびれを切らした”程度』の下落と見ることもできるようです。

同コラムでは、前日比の騰落率が1%未満の日々が今回の下落までに63営業日も続いていたことに言及しています。2005年以降、前日比の騰落率1%が50営業日以上連続したのは、今回を含め4期間しかないことから、“異常に静かな相場”であったと考察しています。『今年、このように「ユーフォリア的な静かな相場」が続いてきたことは、“恐怖指数”ことVIX指数とNYSE(ニューヨーク証券取引所)出来高』からも分かると同コラムでは述べています。

VIX指数が12%未満の日を「異常に恐怖を感じていない日」と仮に定めると、『年次でこの日がどのくらい示現したかを計測すると、2012年までは無かったものの、2013年:2.4%、2014年:15.9%、2015年:0.4%、2016年:8.3%と小さな確率ではあるが発生し、今年はその数値が先週金曜日時点で76.7%』と一気に跳ね上がっています。つまり、『4日に3日以上が「異常に恐怖を感じていない日」であった計算』となると同コラムでは述べています。

『今回の下落は、“動かない状態の正座に疲れてしびれた足を動かした程度のこと“であったということになる』とし、『今後は出来高にも注目すること』が必要となりそうだとまとめています。

なお、上記の記事の詳細は、eワラント証券が運営している「eワラントジャーナル」の8月21日付のコラム「「しびれた足」を動かした程度の下げ?」にまとめられています。

馬渕磨理子の「気になるレポート」は各種レポートを馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合がありますので、ご留意くださいませ。

フィスコマーケットレポーター 馬渕磨理子



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情報提供元: FISCO
記事名:「 「しびれた足」を動かした程度の下げ?~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)