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香港に拠点を置くある企業は、コンテナ運送業の支払いの安全性の向上のため、独自のデジタル通貨を発行し、ブロックチェーンを活用している。PortTechnologyによると、香港に拠点を置く300cubitsは、オーバーブッキングと荷送人の不在を防ぐため、TEUトークンを配布している。
予約のための預託金が必要な場合には、トークンを発行することによって、運送業者の不安が除去されることが期待されている。興味深いことに、TEUトークンを使用して出荷を予約し、顧客が貨物を積んでいないか、または運送業者が貨物を積載しないと、その顧客又は運送業者はTEUトークンを失う可能性がある。
現在、運送業界の予約プロセスは年間230億ドルの無駄を生み出している。運送業界へのTEUエコシステムの導入は、荷送人の不在やオーバーブッキングのコストを削減することが期待されている。
300cubitsの創設者は次のように言う
「今後、TEUトークンはコンテナ輸送サイクルのボラティリティに対応するため、より良い先見性とヘッジ手段を提供することができるでしょう。そして、TEUトークンはコンテナ運送業界にとって事実上の暗号通貨になる可能性があります。」
■運送業界はブロックチェーンを採用する
コンテナ輸送業界が画期的な技術を採用し、サービスの改善を試みたのは初めてではない。
昨年9月、世界貨物輸送業界向けの最初のエンドツーエンドブロックチェーンソリューション(end-to-endblockchainsolution)として設計されたBlockfreightが、市場アクセスを拡大し、世界での貿易における財政力を強化するため、トークンセールスを開始したことが報告された。
一方、今年5月には、韓国の運送業界が2017年末までにブロックチェーン技術によって改革を起こすと発表された。
パイロットブロックチェーンプロジェクトの立ち上げにより、サムスン電子SDS(サムスンの子会社)は韓国の物流業界を監督し、輸出と輸入、貨物輸送の場所をブロックチェーンを通じてリアルタイムで追跡する予定である。
▽参考
韓国多国籍電子企業LGがブロックチェーンプラットフォーム提供開始
パイロットブロックチェーンプロジェクトの立ち上げ当時、韓国税関の広報担当者は次のように言った
「このパイロットプロジェクトが成功すれば、企業の通関手続きを簡素化し、物流コストを節約できます。」(出典:CryptoCoinsNews)
■エムトレの視点
運送/物流業界にとってブロックチェーン技術は今後欠かせないものとなる可能性が高い。コンテナ運送や船舶コンテナ等では未だにアナログ技術が主力である部分が多い。そのような中で、無駄を多く生み出しており、ブロックチェーン技術を用いた台帳技術を利用することにより、これらをある程度解決できるであろう。これらの技術は、気がついたら利用していた、というような状態で発展することが望ましいだろう。またトークンによる支払いの確保も無論大きな可能性を秘めている。運送業界の未来にも注目だ。
【ニュース提供・エムトレ】
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