〇習訪問控え、緊張感高まる〇

報道が割れているので、よく分からないが昨日の香港市場で一部の銘柄が暴落した様だ。ハンセン指数は0.12%の小幅下落、上海株は3連騰で1年半ぶりの高水準にあるので、今のところ全体への影響は小さい。局地的現象かどうかを含め注目される。

ブルームバーグによると、取引終了時に掛け17銘柄が40%超の暴落。傘メーカーの集成傘業と漢華専業服務は90%の暴落。香港証券当局は今月、隆成金融集団の株式売買を停止、同社が増資等を引き受けた銘柄群が暴落したものとした。ロイターによると、新興企業向け市場GEM(グロース・エンタープライズ・マーケット)が10%近く下げた。約2年ぶりの大幅下げで、当局が、取引があまりない銘柄の上場廃止を決めるとの観測が高まったことが背景とした。多くの銘柄が50%超の下落。

背後には7月2日の返還20周年記念式典、習近平国家主席の初訪問が予定され、緊張感が高まっていることがあると考えられる。一部メディアによると、6月中旬、国内の治安維持を担当する武装警察幹部19人が解任されていたことが明らかになった。昨年12月に摘発された司令官を務めた王建平・元軍統合参謀部副参謀長(今年4月軍刑務所で自殺)収賄容疑に連座したものとされる。12年秋に就任した習主席は、まず軍部の改革(江沢民派の排除)に着手した。その総仕上げとされたのが16年12月の47人の上将、中将の解任・引退。今年に入ってからは公安・政法部門の改革が急ピッチだ。16年11月に国家安全部長に就任したのは、腐敗追及を推進する王岐山配下とされる陳文清(前中央紀律検査委員会常務委員)。

香港は江沢民時代に返還され、香港マフィアを掌握しているのは曾慶紅元副主席(台湾・大紀元の報道)とされる。言わば、上海閥の牙城で、そこに習近平が乗り込むことは、単なる行事参加の意味合いだけではない。最近拘束されたと言う金融界大物の肖建華は香港に居住していた。また、同様に拘束された安邦保険の呉会長ともども曾慶紅と密接とされる。果たして、江沢民派NO2の曾慶紅弾劾にまで至るのか、習体制NO3の張徳江(上海閥の現役トップ、香港や北朝鮮などを担当しているとされる)追放に至るのか、秋の共産党大会を睨むヤマ場と考えられる。

習主席は3日からロシア公式訪問に移るとされる。上海閥を後ろ盾とする北朝鮮情勢についての話し合いも、今後の焦点になると考えられる。


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出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/6/28号)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆揺れる香港市場◆