米連邦公開市場委員会(FOMC)は依然年あと1回の利上げを予想している。しかし、市場では年内の追加利上げ観測が後退しつつある。最近発表される経済指標が予想を下回る傾向にあることが背景となる。

米商務省が発表した5月耐久財受注速報値は前月比-1.1%と、改善予想に反し4月から悪化。2か月連続のマイナスとなった。企業の設備投資の先行指標となるコア資本財(航空機を除く非国防)の受注は年初来で初めてのマイナスに落ち込んだ。また、国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は前月比-0.2%と、やはり改善予想に反して、4月+0.1%から1月以来のマイナスに落ち込んでおり4−6月期GDPの成長期待も後退。

最新6月のダラス連銀製造業活動指数も15.0と、5月17.2から低下し、市場予想16.0も下回った。製造業の伸びも停滞しつつある。米商務省は1−3月期国内総生産(GDP)の確定値を今週発表予定だが、改定値1.2%から修正なしと見られている。債券相場ではイールドのフラット化が目立つ。政策金利が急伸する可能性は少ないとの見方から、長期金利が上げ渋ると同時に、短期債も低水準にとどまり利回り格差が縮小。イールドのフラット化はまた、通常、経済が景気後退に陥る兆候を示唆すると見られており、投資家に警戒感を与えている。

FOMCの政策決定で影響力があるイエレンFRB議長や、ダドリーNY連銀総裁は労働市場のひっ迫を理由にタカ派姿勢を維持している。しかし、市場は年あと1回の利上げに懐疑的見方を維持。米金利先物市場での12月までの利上げ確率は依然50%を下回っている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:イールドカーブのフラット化で米リセッション懸念も浮上