米トランプ政権は23日、2018年度の予算教書(2017年10月-2018年9月)を議会に提出した。しかしながら、市場関係者の間では歳出削減計画が確実に履行される保証はないとの見方が浮上しており、予算教書に対する評価は芳しくないようだ。歳出削減が不十分だった場合、将来的に財政赤字は増大し、金利上昇の要因になるとの声も聞かれており、そうなった場合、3%レベルの経済成長の達成は難しくなる。

マルバニー米行政管理予算局(OMB)局長は「雇用状況のさらなる改善によって米国内総生産(GDP)成長率は3%になる」と指摘している。3%の経済成長率による税収増加も期待されているようだが、この点についても市場関係者の間では「雇用情勢が改善しても3%成長を維持することは容易なことではない」との悲観的な意見が出ている。

雇用情勢の改善が所得増加につながり、税収増をもたらす可能性については肯定的な意見もある。ただ、2017年4月時点で失業率が4.4%まで低下しているにも関らず、賃金の上昇率は2%台にとどまっていることを勘案すると、雇用情勢の改善によって税収が増えるとの予断を持つことは避けるべきかもしれない。



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:「米予算教書に対する厳しい意見」