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米労働省が発表した最新3月のJOLT求人件数は574.3万件と、予想572.5万件を上回り、2月568.2万件から増加、過去最高となった昨年7月以降で最高となった。同指数はイエレンFRB議長が労働市場のスラック具合を判断する上で特に注目している。イエレン議長がスラックを判断する上で使用しているダッシュボードで9つある項目のうち、6項目が金融危機以前の水準を回復した。特に、フルタイムの仕事を探しているが経済的な理由で臨時的な職に就いている人、職探しを完全に諦めた人を含む広義の失業率(U-6)が8.6%と、10年ぶりの水準に低下したことは大きな前進。
労働者の自信を表明するとしてイエレン議長が最も重要視している同指数の退職率(Quits rate)は2.1%と2月と同様に危機前の水準に並んだ。長期失業率が依然高止まりしているほか、労働参加率の低下傾向がやまないなど、労働市場のスラックは存続している。しかし、スラックは大きく改善。連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げを後押しする。FOMCの中には米国の労働市場が目標である完全雇用に達しただけでなく、過熱を警戒するメンバーもいる。ハト派寄りで知られるボストン連銀のローゼングレン総裁でさえ、「失業率は4.4%と、完全雇用の水準をさらに下回る」と指摘。米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は、緩やかな利上げが遅れるリスクに言及した。
■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)
◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
3月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(1月1.1%) 1.4%
4月失業率(Unemploynent rate):4.4%(3月4.5%) 5%
3月求人率(Job openings rate):3.8 %(2月3.8%) 3%
3月退職率(Quits rate):2.1%(2月2.1%) 2.1%
4月広義の失業率(U-6):8.6%(3月8.9 %) 8.8%
4月雇用者数(Nonfirm payrolls):+21.1万人(3月+7.9万人) +16.18万人
◎状態が危機前より依然悪い
4月長期失業率:38.0% (3月38.7%) 19.1%
4月労働参加率:62.9%(3月63.0%) 66.1%
3月採用率(Hires rate):3.6%(2月3.6%) 3.8%
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