こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

米雇用統計の前哨戦であるADP雇用統計が4月5日(水)に発表されました。非農業部門雇用者数が18.5万人増予想に対して26.3万人増と、予想を大幅に上回る結果となっています。前回の29.8万人よりは減少したものの大幅ジャンプアップと言えますし、前回の米雇用統計も良かったことを考えると今回も期待できそうです。

さて今夜の雇用統計発表は、いったいどのような内容になるのでしょうか。住信SBIネット銀行の「米国雇用統計」レポートでは、以下のように今回の発表内容を予想しています。

まずは前回2月の米雇用統計のおさらいから。同レポートによれば、『米2月の雇用統計は、暖冬の影響もあり建設業の雇用者数が伸びたので、非農業部門雇用者数が23.5万人増と、市場予想の19万人増を上回りました。しかし前々日に発表されていたADP全米雇用リポートが好調さを伝えていたこともあり、意外感は特にありませんでした。また時間当たり平均賃金は前月比+0.2%と、予想の+0.3%を下回ったものの、平均賃金の上昇は続いていました。』とのことで、内容については『全体的に強い内容であり、翌週に控えた米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ期待を正当化するには十分だったのですが、市場は既に利上げを織り込んでいたため、ドル買いの反応は一時的でした。』との見解となっています。

では、3月の雇用統計のポイントはどうでしょうか。同レポートでは、『7日に発表される米雇用統計(3月)では、非農業部門雇用者数が17.5万人増と2月の23.5万人増からの減少が予想されています。1月に引き続き、2月も例年より温暖だったために雇用者数が上振れしたと考えられており、3月は天候要因が剥落するため1、2月ほどの勢いがないと見込まれています。』と見ています。

加えて『失業率は前回から横ばいの4.7%、時間給賃金も前月比で+0.3% (前月同月比+2.7%)に改善される予想になっています。ほぼ完全雇用と言える米国の状況を考えれば、今回も雇用者数の増加幅よりも賃金動向に注目が集まりそうです。』と伝えています。

また雇用統計というと利上げと強い関わりがありますが、『先行する労働市場情勢指数(LMCI:Labor Market Conditions Indexとは、FRBが公表する米国の労働市場の情勢を示す指数)は横ばいとなっていますので、労働市場の動きは安定していると思われます。引き続き賃金の上昇率が加速する兆候が無ければ、今後の利上げペースは、3月の利上げを含め、年3回と考えられているFRBの見方が変わる可能性はなく、緊迫感は少ないでしょう。』と分析しています。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 三井智映子





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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国雇用統計:「今回も雇用者数の増加幅よりも賃金動向に注目が集まりそう」、住信SBIネット銀行(三井智映子)