米連邦準備制度理事会(FRB)は公表した連邦公開市場委員会(FOMC)(1月31日-2月1日開催分)議事録の中で、経済が軌道通りに進展した場合、比較的速やかな利上げを実施する可能性を示唆した。さらに、バランスシートに関しても縮小に向けた協議を今後の会合で開始する方針も表明。FOMCが金融政策をより正当化していく軌道上にあることがさらに明らかになった。

FRBは昨年12月に過去10年間で2回目となる利上げに1年ぶりに踏み切ったのち、この会合で金利据え置きを決定。トランプ政権による潜在的な減税や経済的な政策など不透明感が強く、見通しが明らかになるまで時間がかかると判断した。

メンバーは労働市場やインフレが見通しに一致、または見通しを上回った場合、比較的速やかに利上げすることが適切だとの見解で合意したものの、予想されている財政策に警戒感を抱くメンバーがいることが明らかになった。また、一段のドル高が下方リスクになりうると、慎重な意見も存続。インフレが急伸するリスクも低く、インフレ圧力が高まった場合にも対応する十分な時間があるとの見方で、依然緩やかな利上げが正当化されるとの方針を維持した。3月FOMCでの利上げも選択肢として残したものの、利上げへの緊急性も感じられず、ドルは当面もみ合いを強いられそうだ。

■FOMC議事録(1月31日、2月1日開催分)ポイント

●利上げ
「経済が軌道通りに進展すれば、比較的速やかな利上げを予想」

●インフレ
「著しいインフレのリスクは低い」
「インフレ圧力が高まった場合にも対応する十分な時間がある」

●バランスシート
「協議を開始する必要があるとの意見で合意」

●財政策
「数人のメンバーは予想されている財政政策を警戒」

●上方リスク
「メンバーは経済の上方リスクの上昇を認識」

●下方リスク
「数人のメンバーが一段のドル高が経済の下方リスクとなると指摘」

●リスクバランス
「政治的な不透明感があるものの、短期的なリスクは概ね均衡」





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:FOMC最新議事録、速やかな利上げ示唆も緊急性見られず