2017年のFOMC投票権を有するフィラデルフィア連銀のハーカー総裁は先週末にマーケットニュースインターナショナルとのインタビューで、3月FOMCでの利上げを依然選択肢として見ていることを明らかにした。今後数週間での展開を監視していくとの方針を表明。FOMCの政策が立ち遅れているとは考えていないが、「懸念するところだ」と言及した。同総裁はタカ派として知られており、サプライズとなるような内容ではないが、立ち遅れに関する懸念に言及したことが、一段の早期の利上げ観測につながったと見られる。ハーカー総裁は21日の講演でも、「トランプ政権の財政策にかかわらず2017年内の利上げは3回が適切」との考えを再表明したほか、インフレがオーバーシュートするリスクにも言及している。2017年のFOMC投票権を有していないがやはりタカ派で知られるメスター・クリーブランド連銀総裁も同様の見方を示した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が先週行われた経済や金融政策に関する半期に一度の議会証言で利上げを過剰に先送りすることは、のちに急激な利上げにつながる可能性から「適切でない」としたほか、次回3月の会合で、FRBの2つの責務であるインフレや雇用が一段と進展したら「利上げが適切となる」と3月の利上げも選択肢として除外しなかった。また、議長は「労働市場を過度にひっ迫させたくない」とどちらかというと上方リスクへの警戒感を強めている姿勢が強調された。この証言をきっかけに3月を含めた早期の利上げ観測が強まった。金利先物市場での3月の利上げ確率は証言前の30%から一時50%近くにまで上昇。直近の消費者物価指数(CPI)や生産者指数(PPI)といったインフレ指標が軒並み上昇したことも3月の利上げ観測を助けた。米連邦準備制度理事会(FRB)は22日に1月31日、2月1日の2日間に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表。この中でも、3月の利上げの可能性を探る。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米FOMC議事録で3月利上げの可能性を探る