米国債券トレーダーは、10年債利回りが来年2月までに2%まで低下すると見ているようだ。米国債のオプション市場では、2月限月で価格の高いストライクプライス(利回りは低い水準)のコール買いが目立ったという。1月20日にトランプ新政権が発足後、果たして、期待通りの措置が実施され、景気に反映するかどうかに焦点が移行する。トレーダーは新政権発足後、経済が期待ほどの成長を実現するのは困難であることに市場が気づくことになると見ているようだ。

トランプ次期大統領は、ホワイトハウス内に「国家通商会議(National TradeCouncil)」を新設し、トップにエコノミストのピーター・ナバロ氏を指名した。政権移行チームが明らかにした。移行チームは「国家通商会議の創設は、米製造業を再び偉大にし、すべての米国民に妥当な賃金でまともな職で働く機会を提供するとの次期大統領の決意をあらためて示している」としている。ナバロ氏は“Death byChina(中国が(世界を)破滅に向かわせる)” ”Crouching Tiger:What China’sMilitarism Means for the Worldうずくまるトラ−中国の軍事強化が世界に意味するもの)”の著者である。米国と中国との“貿易戦争”も避けられないかもしれない。

一方、オプションはヘッジの目的で使われている可能性もある。どちらにしても、来年はトランプ次期政権の政策を睨んだ展開となることは確かだ。米商務省は22日にワシントンで7−9月期国内総生産(GDP)確定値を発表する。市場エコノミストは平均で3.3 %成長と、改定値の3.2%から上方修正されると予想している。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米債トレーダー、17年年初に利回り低下を予想