トランプ次期米大統領は11日、米FOXニュースの取材に対し、中国が貿易問題で譲歩しない場合、「1つの中国」原則を順守しない可能性があると述べた。中国にとって“譲れないライン”を踏み越える発言で、これまでより“挑発の度合いが高い”発言として注目されている。複数メディアが12日伝えた。
トランプ氏は11日、「私は『1つの中国』という原則を完全に理解している。しかし、貿易や他の問題で中国と取り引きが成立しない場合、どうして『1つの中国』の制約を受ける必要があるだろうか」と語った。
トランプ氏はこれに先立つ今月2日、台湾の蔡英文総統と電話で会談。台湾首脳との直接対話は、1979年の米台断交と中国国交樹立以来のルールを打ち破るものとなった。トランプ氏はこの会談について、「私は中国の指図を受けたくない。あれは楽しい電話会談だった。私が電話を受けてはいけないと、どうして別の国が言えるのか」などとコメントしている。なお、蔡総統との電話会談はあらかじめ計画したものではなく、2時間前に初めて電話があることを知ったという。
トランプ氏はまた、人民元相場や南シナ海、北朝鮮などの問題で中国を批判している。北朝鮮の核開発問題に関しては、「中国は北朝鮮の支持者だ。核開発問題を解決できるのに、全くわれわれを助けようとしない」と語り、中国の姿勢に不満を示した。
中国の王毅外相は12日、トランプ氏の発言に対し、「『1つの中国』の原則を破壊し、中国の核心的利益を損なおうとしても、石を自分の足にぶつけるようなもの」と述べている。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 トランプ次期米大統領、「1つの中国」順守しない可能性に言及