欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は26日、ユーロ圏の経済成長は減速しているとの見方を示した。ECBの金融政策に影響を及ぼすほどの状況ではないものの、市場関係者の間では
「利上げ開始時期は流動的になりつつある」との見方が浮上している。ドイツのIFO経済研究所が26日発表した11月の企業景況感指数は102.0で10月実績の102.9、市場予想の102.3程度を下回った。先週23日に発表されたマークイット11月ドイツ総合PMIは52.2で10月実績の53.4を大幅に下回っている。

 ユーロ圏の主要国であるドイツ経済の減速が意識されていることから、ユーロ・ドルの先安観は後退していない。米国経済の成長鈍化の思惑が広がっているが、一部の市場関係者は「2019年と2020年のユーロ圏の経済成長率は米国を下回る可能性があり、利上げが実施されても年1-2回のペースにとどまる」と指摘している。米国金利の先高観は後退し、ドルに対する弱気な見方が一部で台頭しているが、ユーロ圏の経済成長が予想以上に減速した場合、トランプ大統領が望まないユーロ安・米ドル高の相場展開となる可能性は排除できない。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ドイツ経済の減速懸念