10日の米国株式は大幅安となったが、米長期債利回りは0.05%(5bp)程度の下げにとどまった。米労働省がこの日発表した9月生産者物価指数は前年比2.6%、同コア指数は前年比2.5%上昇したことから、10年債利回りは朝方に3.24%近辺まで上昇した。米国債利回りはしばらく下げ渋っていたが、米国株式の下げ幅拡大を受けて取引終了時点にかけてやや低下した。

 市場関係者の大半は12月の米追加利上げを想定しているが、2019年の金利見通しについては「経済指標次第で相当変わっていくのではないか?」との見方が増えているようだ。
米金融政策は株価動向に左右されないとしても輸入関税の影響によって、10−12月期の企業業績見通しは大幅に修正される可能性があるとみられている。輸入関税の影響について一部の関係者は「金融市場は過小評価している」と指摘しており、米国と中国の成長見通しについても予断を許さない状況が続く可能性があることから、リスク選好的なドル買いは引き続き抑制される可能性がある。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 市場は輸入関税の影響を過小評価しているのか?