一部報道によると、日本の大手生保である「かんぽ生命」は今年3月の総選挙前にイタリア国債の保有残高を3分の1に圧縮したもようだ。すでにリスク回避的なポジションになっており、市場が過剰反応して金利が急上昇する局面では買いを入れる可能性があるようだ。

 市場関係者の間では「イタリアの格付け見通しは今後悪化する可能性が高い」との見方が増えているが、ごく一部を除いて「イタリアが債務不履行の状態に陥ることはない」と考えているようだ。ある市場関係者は「投資家の多くは長期投資には消極的だが、1年以内のタームでの投資意欲はそこそこ強い」と指摘し、金利上昇の局面では一定規模の買いが着実に入るだろうと想定している。

 5月31日午前の時点でイタリア国債2年の利回り水準は1.282%近辺、10年債は2.785%近辺で推移している。利回りの絶対水準を重視する投資家にとって、10年債の利回り水準は格付けなどを勘案すると低いと感じるかもしれないが、短期金利が0%レベルであることを考慮すると割高とは言えないとの声も聞かれている。イタリアの政治不安がすみやかに払拭されるとは思えないが、何らかの事情でイタリア国債の需要が大幅に減少することがなければ、ユーロ・ドル急落の可能性は低いとみられる。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 イタリア国債の需要について