イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)の議長は26日に行われた講演で、物価の停滞は一時的であるとの見解を示した上で、2%のインフレ目標に到達するまでは(現状の)金融政策を維持するとし、緩やかな利上げを継続すると述べた。これを受けて、市場では年内あと1回の追加利上げ観測が広がり、ドル買い・円売りが優勢となっている。CMEグループのフェドウォッチでは(9月26日時点)では12月追加利上げの確率は80%を超えている(81.4%)。

 ただ、米朝間の緊迫化への懸念も根強く、ドルの上値は限定的となりそうだ。トランプ米大統領は26日、第2の選択肢として北朝鮮への軍事攻撃もあるし、実行すれば北朝鮮は壊滅すると警告している。さらに、27日には米トランプ政権と与党・共和党が税制改革の新案の公表を控え模様眺めムードも広がっている。市場では富裕層と法人の税率の引き下げが焦点となっており、内容を見極めたいとの向きも強い。


<MK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 市場は米年内追加利上げをほぼ完全に織り込む