米労働省が7日公表した6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+22.2万人となり、市場予想の+17.9万人程度を上回った。失業率は前月から0.1ポイント上昇したが、労働参加率は0.1ポイント上昇しており、失業率の上昇は求職者数の増加が原因とみられている。一方、6月の平均時給が前年比+2.5%にとどまったことについて市場参加者の見方は分かれているようだ。

 賃金上昇の圧力が弱いことを懸念する声が聞かれているが、一部の市場参加者は「米経済が完全雇用の状態ではないことが要因であり、雇用拡大の余地はまだ多く残されている」と考えている。6月の非農業部門雇用者数は20万人以上増加し、4月と5月分の雇用者数も上方修正されたが、米国経済が順調に拡大すれば、雇用市場はさらに拡大し、非農業部門雇用者数は月間で15万人以上増加する状態がしばらく続くとの見方が出ている。賃金上昇の圧力が高まるのはしばらく先になるとみられているが、この状態は追加利上げやバランスシート縮小の妨げにはならないだろう。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 6月の米平均時間給の伸びは予想を下回ったが・・・・