20日の欧米市場でドル・円相場は円安方向に振れたが、日本銀行の黒田総裁の発言(米ブルームバーグTVとのインタビュー)が材料視された。黒田総裁は「インフレ見通しは安定した為替相場が前提となる」、「円が上昇した場合、2%のインフレ目標達成が遅れる」、「出口戦略を協議するのは時期尚早。物価目標達成はかなり先になる」などの見解を伝えている。

 日本銀行は来週4月26日-27日開催の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定するとみられている。しかしながら、物価目標の達成時期について確かなことは何も言えない状況が続いている。黒田日銀総裁はインタビューで「円が上昇した場合、2%のインフレ目標達成が遅れる」と述べているが、3月17-18日の20か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)の声明では、競争力のために為替レートを目標とはしないことが再確認されている。

 日銀の金融政策は物価目標を実現させるための手段ではあるが、円高阻止の側面があることは否めない。市場参加者の間では「過度の金融緩和は通貨安誘導に該当する」との声も聞かれている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 為替相場の安定が日銀金融政策の主たる目標なのか?