5日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、こう着ながらも底堅い相場展開になりそうだ。4日の米国市場はNYダウが103ドル高だった。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受け、欧米が対ロ制裁をさらに強化する姿勢を表明したため経済への影響を警戒し売りが先行した。一方で中国の規制当局が上場している同国ハイテク企業の監査に関し情報を開示することに前向きな姿勢を見せたため、非上場が回避されるとの期待感から買い戻しの動きが強まり、これが米ハイテク株への買いに波及。
ハイテクが相場を押し上げる格好から上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比210円高の28000円。円相場は1ドル122円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。ただし、東証再編によって物色が定まらない面もあることから28000円水準では強弱感が対立しやすいと見られる。一方で、米国ではハイテク株が買われているほか、ツイッターが27%を超える上昇となったことが支援材料になると見られ、昨日の日経平均の重荷となっていた指数インパクトの大きい値がさハイテク株を見直す動きが意識されやすいところだ。

 また、昨日の日経平均は前場半ばにかけて弱含んだものの、その後は前日終値を挟んだもみ合いのなか、引けにかけて買われる格好だった。新年度入りに伴う資金流入も意識されやすく、下値の堅さは見られそうだ。チャート上でも75日線が支持線として意識されやすいため、押し目買い意欲は強そうである。その他、日経平均がこう着のなか、東証グロース銘柄への物色が目立っていた。マザーズ指数は3%を超える上昇で3月前半の戻り高値を上回るとともに、上値抵抗線として意識されていた75日線を捉えてきた。同線を明確に上放れてくるようだと、相対的に出遅れ感が目立っている東証グロース銘柄への物色は一段と強まりやすいだろう。

 日経平均が28000円水準でのこう着ながらも底堅さが見られるようであれば、個人主体の材料株物色なども次第に活発化しそうである。また、直近でリバウンドを見せてきており、目先的な抵抗線をクリアしてきた銘柄などへは、修正リバウンドを想定した動きにも繋がりそうである。FOMC議事要旨の公表を控え全体としては手掛けづらさはあるものの、VIX指数は18.57に低下していることもあり、リスク選好の動きから物色意欲は強そうだ。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 出遅れ感が目立っている東証グロース銘柄への物色は一段と強まりやすい