5日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開が続きそうである。4日の米国市場ではNYダウが323ドル安だった。民間の雇用者数をあらわす7月ADP雇用統計が前月分や予想の半分の伸びにとどまったため労働市場の回復の遅れを警戒し売りが広がった。その後、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が2022年末までに利上げの準備が整うとの見解を示すと、金利の上昇を警戒しさらなる売りに押される格好に。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の27520円。円相場は1ドル109円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行の流れから始まりそうである。
ただし、米国では経済指標の発表などを受けて長期金利の動向に敏感に反応する形であり、景気敏感株を中心とした利益確定の動きであろう。クラリダ副議長についてもこれまで伝えられていたタイミングであることから、相場の需給が大きく悪化した下落ではない。また、AMDが5%を超える上昇となるなど、ハイテクの一角が堅調である。

 そのため、日経平均は27500円処でのこう着感の強い相場展開ながらも、ハイテク株への物色が底堅さに繋がる可能性は期待したいところ。また、商いが膨らみづらいなか、先物市場においても出来高は薄く、短期的な売買が中心となっている。現物市場でも決算発表がピークを迎えるなかで、好決算銘柄への日替わり物色が中心。薄商いのなかで一部の銘柄に資金が集中しやすい需給状況であり、好決算銘柄をピンポイントで狙う展開にも。

 なお、昨日の決算ではトヨタ<7203>は材料出尽くしといったところであり、本日はホンダ<7267>に関心が向かうかが注目されそうだ。また、決算前に持ち高調整に押されていたソニーG<6758>の見直しにも期待したいところ。その他、昨夕の決算ではテルモ<4543>、戸田工<4100>、グンゼ<3002>、日光電<6849>、ダスキン<4665>、ホーブ<1382>などが注目されそうである。

 一方で、決算銘柄以外では個別に材料の出ている銘柄などに限れると見られ、足元で弱い値動きが続いているマザーズの主力銘柄などへのリバウンドを想定した展開は期待しづらいところであろう。
<AK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 決算を手掛かりとした日替わり物色に