1日の日本株市場はハイテク株などへの物色が意識されそうである。3月31日の米国市場はNYダウが85ドル安の一方で、ナスダックは201ポイント高だった。バイデン大統領の発表を控え、大型インフラ計画が回復をさらに支援するとの期待を背景に買い先行で始まった。その後は月末、四半期末で利益確定売りが目立ったほか、増税や債務拡大への懸念に上値が抑制され、引けにかけてダウは下落に転じた。ハイテクは売られ過ぎとの見方から見直し買いが強まり、ナスダックの上昇に繋がっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円高の29345円。円相場は1ドル110円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行の展開となろう。また、アップルなどクオリティ株の一角が買われており、これが他のハイテク株への物色に波及する展開となったことから、バリューからグロース株選好に向かいやすいだろう。ハイテク株はバリューシフトが強まった3月は利食いの流れが続いていたこともあり、割高感は後退しているとみられる。今後バイデン政権の増税のほか長期金利の上昇に対する警戒感は燻るものの、一気に進んだバリューローテーションの修正が意識されやすい面もあるだろう。

 海外市場は週末および週明けに祝日を控えていることからフローは限られてくると見られるものの、バイデン大統領の大規模なインフラ計画を手掛かりに先回り的に資金流入がみられてくる可能性も意識されやすい。日経平均は75日線を支持線としたリバウンドにより、足元では5日、25日線レベルでの攻防をみせている。5日線の切り上がりにより25日線との短期ゴールデンクロス示現も近づいている。名実ともに新年度相場入りとなるなか、押し目買い意欲は強そうだ。

 また、ナスダックの上昇を背景に、マザーズなど中小型株への物色も意識されやすい。足元では直近IPO銘柄への物色が中心であり、物色の広がりはみられていないものの、足元の調整からグロースシフトが意識されてくるなか、指数寄与度の大きい時価総額上位銘柄への見直しも意識されてくるだろう。なお、菅首相は新型コロナウイルスの感染が再拡大している大阪府について、コロナ対策の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用する方針を表明した。今日にも大阪に初適用となることから慎重姿勢は強まる可能性がある一方で、コロナ抑制や対策に関連した材料株への物色が意識されやすい。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 一気に進んだバリューローテーションの修正