25日の日本株市場は、直近の下落に対する自律反発を意識しつつも、神経質な相場展開になりそうだ。24日の米国市場ではNYダウが3ドル安と小幅な下げとなる一方で、ナスダックは265ポイント安と大幅に下落。ドイツが復活祭前後のロックダウン強化計画を撤回し欧州の回復遅延への懸念が後退したほか、原油価格の上昇が好感され買い先行となった。しかし、イエレン財務長官がバイデン政権の増税計画を再確認したほか民主党内で保守寄り議員が増税計画支持を表明すると、引けにかけて下落に転じた。また、ハイテク株から景気循環株への移行が続いた。シカゴ日経225先物清算値は
大阪比145円高の28335円。円相場は1ドル108円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から自律反発が意識されやすいところである。前日までの調整で日経平均は75日線レベルまで下げており、同線を支持線にテクニカル面でもいったんは反発を意識させやすい。ただし、米国同様、バリューシフトの流れが強まるようだと、指数インパクトの大きい値がさ株などは手掛けづらくさせるため、日経平均の重しになりそうだ。そのため、シカゴ先物にサヤ寄せした後は、次第にこう着感が強まりやすく、75日線レベルでの強弱感が対立しそうである。

 とはいえ、昨日は全面安商状のなかでも東エレク<8035>など半導体関連の一角が堅調となるなど、材料のある銘柄への物色はみられていた。VIX指数は続伸ながらも依然としてボトム圏での推移が続いていることからリスクオフの流れにはなりづらいだろう。昨日の大幅な下落については直近で一気にバリューシフトを強めたことによる需給面の歪みによる影響もあったと考えられる。年度末接近により積極的な参加者は限られるなか、リバランス中心の売買であり、そのなかで短期のヘッジファンドによる仕掛け的な売買に振らされた格好だろう。

 物色の流れとしては米国同様、バリューシフトを意識した流れに向かいやすく、ワクチン接種による経済活動の正常化で恩恵を受けるであろう銘柄への押し目狙いのスタンス。また、ハイテク株など成長が見込まれるグロース株についても直近のバリューシフトの流れから大きく調整をみせている銘柄など、割高感が解消された銘柄については押し目狙いとなろう。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 バリューシフトを意識した流れに向かいやすい