5日の日本株市場は、方向感の掴みづらい相場展開になりそうだ。4日の米国市場ではNYダウが345ドル安だった。追加経済対策の速やかな成立期待から買い先行で始まったものの、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のインタビューが失望された。
パウエル議長は、市場で思惑が広がっていた長期金利の上昇を抑制する措置を講じる可能性を示唆しなかったため長期金利が再び急伸したことが警戒感につながっている。セクター別では自動車・自動車部品、半導体・同製造装置を中心に幅広い業種が下落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比80円安の28900円。円相場は1ドル107円90銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形からやや売り優勢の展開になりそうだが、前日の大幅な下落に対する自律反発も意識されやすいところであり、底堅さを見極めたいとする模様眺めムードが強まりそうである。ナスダックは心理的な支持線として意識されていた75日線を割り込んできており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重石になりそうである。また、VIX指数は一時30を超えてきており、リスク回避のムードに向かわせやすいところであろう。

 一方で、昨日の段階で長期金利の上昇は警戒視されていた面もあり、過度に嫌気する流れにはならないだろう。ヘッジファンド等による短期的な売り仕掛けの動きは意識しておく必要はありそうだが、日経平均は直近安値とのボトム形成も意識されやすく、まずは底堅さを見極めたいところであろう。また、指数インパクトの大きいコア銘柄への売り圧力は強まるとみられるものの、一方で円安の流れを受けた輸出関連への押し目買い意欲は強そうである。また、景気敏感セクターへの物色についても経済活動の正常化への期待から押し目を拾う流れは期待しておきたい。首都圏の緊急事態宣言の延長は織り込まれているため、需給が売りに傾いている景気敏感セクターへの物色を意識しておきたいところであろう。

 その他、テレワークなどコロナ初期段階で物色されていた銘柄などの調整が目立っているが、これまでの調整により需給整理は一巡している感もあり、自律反発を意識した押し目狙いのスタンスとなろう。政策期待の高いテーマ株などへも足元で利食いに押されている銘柄などへは、押し目のタイミングを見極めたいところである。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 リスク回避のムードに向かわせやすく、まずは底堅さを見極め