11日の日本株市場は、バリュー株へのシフトを見極めつつ、日経平均の25000円を固める流れが意識されそうである。10日の米国市場ではNYダウが262ドル高と上昇する一方で、ナスダックは159ポイント安と続落だった。新型コロナワクチンや治療薬開発期待を受けた景気見通しの改善で連日、ハイテク株から景気循環株に買い換える動きが続いた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円高の25225円。円相場は1ドル105円30銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、25000円を上回っての推移になりそうである。米食品医薬品局(FDA)は9日、米製薬大手イーライリリーのモノクローナル抗体薬「バムラニビマブ」について、新型コロナウイルス治療薬としての緊急使用許可を出したと発表。昨日のファイザーによる治療薬の有効性を材料視したグロースからバリュー株へのシフトが続く可能性がありそうだ。そのため、ギャップスタート後はバリュー株へのシフトを見極めながらのスタンスになろう。

 マザーズ指数は25日線に上値を抑えられる格好から大きく調整をみせていたが、バリューシフトが継続するようだと、値ごろ感からの買いも入りづらく、利益確定の流れが続く可能性がある。個人の資金回転の速さから需給悪化はそれ程警戒されないとみられるが、センチメントを冷ますことにつながりそうである。そのため、強いトレンドが継続していた中小型銘柄へは短期筋のショートの動きも意識されやすく、しばらくは荒い値動きが目立ちそうである。

 日経平均は25000円を固める流れから26000円を意識したスタンスに向かわせそうだが、バリューシフトが継続するようだと日経平均よりはTOPIX型優位の展開になりやすく、NT倍率の低下を意識した物色に向かわせる可能性がありそうだ。その他、国内で新型コロナウイルス感染症の拡大が警戒されてきやすく、感染防止に関連する銘柄への物色が再燃する動きも出てきそうである。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 バリューシフトの継続を見極め