16日の日本株市場は、こう着ながらも底堅さが意識されそうだ。15日の米国市場は、英議会でEU離脱案が否決されると一時上げ幅を縮小したものの、中国の景気刺激策に対する期待などから、NYダウは150ドルを超える上昇となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円安の20485円だが、中国が景気刺激策の導入を示唆したことは昨日の段階で織り込まれていることを考慮すれば、底堅い値動きだろう。円相場は1ドル108円60銭台で推移している。

 米国市場は高安まちまちではあったが、シティグループが大幅続伸となったほか、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなど金融セクターが堅調に推移しており、安心感につながろう。また、アップルが2%を超える上昇で3日ぶりに反発となり、ハイテク株への支援材料となろう。

 一方で英国のEU離脱案は大差で否決された。サプライズはないが、アク抜けとはならないだろう。メイ首相は超党派と協議のうえ週明けに代替案を提出する見通しだが、野党はメイ政権の不信任案を提出しており、16日に採決が行われる。そのため、積極的な上値追いの流れには向かいづらいところである。とは言え、中国国家発展改革委員会(発改委)
は追加刺激策を示唆したとするなか、中国の景気刺激策に対する期待から買い戻しの流れは続くとみられ、底堅さが意識されやすいところであろう。

 また、緩やかなリバウンドが継続しているが、目先的は日経平均の25日線が位置する20800円近辺までは意識されやすいだろう。13週線が位置する21150円処までのリバウンドをみせたとしても、調整トレンドの中での上昇の範囲内となるため、その後は次第に強弱感が対立してきそうだ。その他、マザーズ指数は上値抵抗の25日線を突破してきている。一目均衡表では雲下限が950Pt辺りに位置しており、目先的にはこの辺りまでのリバウンドは意識されよう。日経平均が20500円処での底堅さがみられるようだと、個人主体の中小型株物色もより活発になりそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 中国の景気刺激策に対する期待から買い戻しの流れ継続