10日の日本株市場はセンチメントは悪化傾向にあるが、底堅さが意識されそうだ。9日の米国市場ではNYダウが下落。米長期金利が一時7年5ヵ月ぶりの高水準に達し、売りが先行した。ただ、米10年債のその後の落ち着きもあり、ハイテクの一角などには上昇に転じる動きもみられている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円高の23525円。円相場は1ドル112円90銭台で推移している。

 昨日は国慶節の連休明けの中国市場の下落のほか、東証システム障害が不安を煽る格好となり、日経平均は300円を超える下落となった。心理的な支持線となる23500円を終値で下回っており、センチメントは悪化傾向にある。とは言え、中国市場の下落への警戒は先週の段階から警戒されていたこともあり、どちらかと言うと、東証システム障害がセンチメントに大きく影響した感はある。そのため、買い方が見送り商状の中、イレギュラー的に売り込まれた格好でもあるだろう。

 日経平均は昨日までの下げでサポートとして意識される25日線に接近している。同線での強弱感対立によって短期筋の売り仕掛け的な動きも出やすいところ。一方で、昨日はコーエーテクモ<3635>が第2四半期業績予想の上方修正を発表するなど、決算シーズンとなる中で市場の関心は業績に移行する。本日発表予定の安川電<6506>の決算の動向が投資家のセンチメントにも影響しよう。市場の期待感は強くないと考えられるが、今後の決算に対するコンセンサスにも繋がるため、サプライズがあることも意識しておきたい。イレギュラー的な価格が形成されやすく冷静に下値を拾いたいところである。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 市場の関心は業績に移行