10日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。9日の米国市場は決算評価が下支えとなったものの、米中貿易摩擦への懸念からまちまちの展開。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円安の22560円だった。円相場は1ドル111円10銭程度で推移している。

 また、米モルガンスタンレーは、在庫が高水準に積みあがっていることや、生産リードタイムの長期化を受けて、半導体セクターの投資判断を引き下げている。これを受けて米AMDが2%を超える下落となるなど、半導体関連は総じて冴えない展開となっており、上値の重石になろう。その他、日米両政府が9日(日本時間10日)から米ワシントンで開く新たな貿易協議(FFR)の行方を見極めたいとする模様眺めムードも高まりそうである。

 日経平均は足元でこう着が続いているが、昨日は指数インパクトの大きいソフトバンクG
<9984>が下げ渋りをみせたほか、決算後に急落を余儀なくされていた資生堂<4911>が大きく切り返したことが下支えとなった。昨日の引け後決算では富士フイルム<4901>、大日本印刷<7912>、ブラザー<6448>、丸井(8252)、マクドナルド<2702>辺りに関心が集まりそうである。

 なお、オプションSQ通過後は先物市場も夏休みモードに入るほか、本日は500社を超える決算発表のピークとなること、さらに米中貿易摩擦への警戒からオーバーウィークのポジションを取りづらい状況となるため、より薄商いの中での個別対応になりそうだ。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 より薄商いの中での個別対応に