21日の日本株市場は引き続き、こう着の強い相場展開ながらも底堅さが意識されよう。20日の米国市場では、税制改革法案成立は織り込み済みとなる格好から、利食い優勢の展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円安の22825円となり、これにサヤ寄せする格好から、利食い先行となろう。

 ただし、税制改革法案については、昨日の段階で上院で可決し、下院での再可決についても問題ないとの見方から、市場は成立を織り込んでいる。過度な期待から買い上がる動きもみられていないため、材料出尽くしも想定内であろう。銀行については利益確定の売りが出やすいだろうが、一方でハイテクセクターへは買い戻しが意識されやすい。

 織り込み済みとはいえ、税制改革を選挙公約に掲げていたトランプ米大統領の勝利により、懸念要因は払拭する格好になるため、買い安心感につながりそうだ。日銀の金融政策決定会合は緩和政策の維持でサプライズこそないだろうが、売り材料にはならないだろう。

 とはいえ市場参加者が限られる中、よりインデックス売買の影響を受けやすく、指数インパクトの大きい値がさ株の動向を睨みながらの展開に。また、マザーズ指数は年初来高値をうかがう展開となる中、個人主体の値幅取り狙いの資金は中小型株に向かいやすいだろう。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米税制改革法案成立、ハイテク株の買い戻しを誘うか