15日の日本株市場は、利食い先行後は底堅い相場展開が意識される。12日の米国市場では、小売決算が嫌気される一方で、アップルやアマゾンが最高値を更新するなどハイテク株が選好され、まちまちの展開。シカゴ日経225先物清算値は大阪比65円安の19815円だった。これにサヤ寄せする格好から、利食い先行といったところである。また、5月SQ値が上に幻のSQを残す形となったことも利食いに向かわせやすいだろう。

 ただし、今週はメガバンク等の決算が控えているものの、週明け15日で概ね決算が通過する。そのため、改めて業績を再評価する相場展開が意識されそうである。足元の日経平均は、高値圏でのもち合いによって日柄調整をみせている。下値の堅さから押し目買い意欲は強く、決算通過から改めて節目の2万円への意識が高まることになろう。

 物色は決算再評価のほか、14−15日に中国で一帯一路サミットが開催されることから、中国関連やインフラ関連辺りも関心が集まりそうである。その他、足元でビットコインが強い相場をみせるなか、ブロックチェーン関連のテーマ物色が強まりやすいほか、引き続き警戒されている北朝鮮情勢に伴う防衛関連のほか、世界的なサイバー攻撃を背景としたセキュリティ関連など。

 また、著名投資家のマーク・キューバン氏は、2015年の米国の株式市場で流行語になったFANG(ファング)が過小評価されているとの認識を示した。これは、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、ネットフリックス(Netflix)、旧グーグル(現アルファベット:Google)の頭文字をつないだ造語であり、ハイテクセクターへの手掛かり材料になりそうだ。
(村瀬 智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 決算再評価のほか、テーマ株などに資金向かう