日経平均は4日ぶり反落。130.50円安の28516.00円(出来高概算7億株)で前場の取引を終えている。

 3日の米株式市場でNYダウは3日続伸し、36ドル高となった。1月のADP雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数が予想を上回り、追加経済対策の早期実現への期待も高まったが、利益確定の売りが出て上値は重かった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日ぶりに小幅反落。日経平均は今週に入ってからの3日間で1000円近く上昇しており、米経済対策の実現期待も前日にある程度織り込んでいたとみられ、本日はやはり利益確定売りが先行して89円安からスタート。前日と同様にハイテク株を中心に売りが出て、日経平均は朝方に28446.64円(199.86円安)まで下落する場面があり、その後軟調もみ合いとなった。

 個別では、エムスリー<2413>が4%の下落となり、日本電産<6594>や村田製<6981>、東エレク<8035>といったハイテク株の軟調ぶりが目立つ。その他売買代金上位では任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>などがさえない。決算発表銘柄では、収益回復の鈍さが嫌気された花王<4452>が7%の下落で、ZHD<4689>は費用増による増益率鈍化を受けて5%超の下落。また、GMOペパボ<3633>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ソニー<6758>が売買代金トップで9%近い上昇。決算や業績上方修正が市場予想を大幅に上回る内容だった。日立<6501>も決算が好感されて2%超上昇している。その他ではソフトバンクG<9984>などが堅調で、東京電力HD<9501>は大幅続伸。また、システムソフト<7527>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。

 セクターでは、化学、サービス業、機械などが下落率上位。半面、証券、海運業、鉱業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の41%、対して値上がり銘柄は54%となっている。

 本日の日経平均は3ケタの下落で前場を折り返した。今週に入ってからの3日間で1000円近い大幅上昇となり、1月28-29日の下落分を全て埋めたことから、目先の利益を確定する売りが出るのもやむを得ないだろう。また、中国人民銀行(中央銀行)による金融引き締め観測も引き続き重しになっているとみられる。春節前の需要に対応した人民銀による資金供給は足元一服し、人民銀が過剰流動性への懸念を強めているとの見方から香港ハンセン指数はここ2日、朝方軟調な場面が見られる。ただ、短期金融市場が比較的落ち着いた反応を示していることもあって、香港ハンセン指数は朝安後に下げ渋っており、今のところ過度に警戒する必要はないだろう。

 とはいえ、当局の「バブル抑制」意向が意識されてか、中国ハイテク株には引き続き売りが出ているもよう。前日には米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も2%を超える下落となった。本日の東京市場でもこうした流れを引き継ぎ、値がさハイテク株が軟調だ。東証1部全体としては値上がり銘柄の方が多く、東証株価指数(TOPIX)
も0.07%の上昇で前場を折り返したが、こうした値がさハイテク株の下落が日経平均を押し下げている。

 それに前週後半の波乱相場を経験した直後だけに、高値圏の銘柄に対する警戒ムードも残るのだろう。本日は1月に調整を強いられていた海運業など一部バリュー(割安)セクターの上昇が目立つことからもそれが窺える。また、マザーズ市場では売買代金上位銘柄を中心に値動きの荒さが見られ、個人の投資資金も足が速い印象だ。

 ここ数日の国内外市場における株価の戻りから、現物株の根強い買い意欲が改めて確認されたが、「手掛けられる銘柄」の選別はよりシビアになってきていると考えた方がよさそうだ。海外市場の動向に加え、個別の決算なども睨みつつ、目先の日経平均は高値圏でのもち合いになるとみておきたい。なお、本日は武田薬<4502>、伊藤忠<
8001>、ソフトバンク<9434>などが決算発表を予定している。
(小林大純)
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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は4日ぶり反落、「手掛けられる銘柄」選別はシビア