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で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに大幅反発し、2112ドル高と過去最大の上げ幅を記録した。議会要人から経済対策を巡る与野党協議の進展を示唆する発言が相次ぎ、合意への期待が高まった。また、トランプ大統領がイースター(復活祭、4月12日)までに経済活動を再開させたい考えを示すと一段高となり、この日の高値圏で取引を終えた。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで354円高からスタートすると上げ幅を大きく拡大。取引時間中としては8営業日ぶりに19000円台を回復し、前場中ごろを過ぎ19187.56円(1095.21円高)まで上昇する場面もあった。
個別では、トヨタ自<7203>が8%、リクルートHD<6098>が15%の上昇となった。日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>は大幅続伸し、その他売買代金上位もソニー<6758>、任天堂<7974>、東エレク<8035>など全般堅調。また、共立メンテ<9616>やアシックス<7936>などストップ高を付ける銘柄も前日と同様に多かった。一方、日経平均採用銘柄ではディーエヌエー<2432>、ユニチカ<3103>、中外薬<4519>などが逆行安。食料品株や陸運株も散見され、内需・ディフェンシブ関連セクターの一角が戻り待ちの売りに押されたようだ。また、インフォMT<2492>などが東証1部下落率上位に顔を出した。
セクターでは、全33業種がプラスとなり、不動産業、海運業、輸送用機器、鉄鋼、サービス業などが上昇率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の88%、対して値下がり銘柄は11%となっている。
前日の当欄で指摘したとおり、日米の金融緩和強化の効果は強烈だ。米国では24日、経済対策への期待も加わり、NYダウが過去最大の上げ幅を更新。日本では日経平均が連日で1000円超の大幅高となっている。前日は日経平均の上げ幅が1204円高に達したのに対し、東証1部銘柄の18%が値下がりしていたが、本日は値上がり銘柄のすそ野が広がっている印象。値上がり率上位銘柄などを見ると、典型的なショート(売り持ち)銘柄に買い戻し圧力がかかっていることが背景にあると考えられる。東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることになったが、ホテル・旅行会社等の観光関連株は「中止されなかっただけまし」と言わんばかりに連日でストップ高を付けている。
とはいえ先週、ファンドの資金流出に伴う持ち高解消の動きが出てから、需給主導で乱高下している感は拭えない。上げ相場では「悪材料出尽くし」「新型コロナウイルス終息後の回復期待」といった講釈がつけられやすいが、全世界の新型コロナ感染者数は日本時間25日に40万人を超えるなど急ピッチで増加中。終息時期はなお見通せておらず、経済成長見通しを下方修正する動きも続いている。企業の事業環境を巡る不透明感が払拭されたわけではない。
金融市場の一角でも米モーゲージ債(不動産担保証券)のスプレッド(上乗せ金利)が急拡大していることなどが警戒されており、危機の芽は残る。金融緩和強化による株式相場の底上げや、ファンドの持ち高解消に伴う「需給の荒波」に乗るかどうか、慎重に検討したい。
(小林大純)
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