日経平均は9日続伸。187.92円高の21947.53円(出来高概算10億5000万株)で前場の取引を終えている。

 12日の米株式市場でNYダウは7日続伸し、45ドル高となった。欧州中央銀行(ECB)
が量的緩和策の再開を決定し、欧州株がほぼ全面高となったことを受けて買いが先行。トランプ政権が10月1日に発動予定だった対中制裁の2週間延期を発表し、中国政府も米農産物の輸入再開を検討していることが伝わり、米中協議の進展期待が高まった。為替相場も1ドル=108円台前半と円安推移しており、本日の日経平均はこうした流れを引き継いで148円高からスタート。寄り付き後は先物・オプション特別清算指数
(SQ)算出を通過したことで売りが出る場面もあったが、トランプ氏が中間所得層を対象とする減税を計画しているとの報道が伝わり、一時21999.18円(239.57円高)まで上昇した。なお、SQ値は概算で21981.09円。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割ほど、対して値下がり銘柄は4割強となっている。

 個別では、ファーストリテ<9983>とソフトバンクG<9984>が揃って2%超上昇し、2銘柄で日経平均を約79円押し上げた。ヤフー<4689>はZOZO<3092>買収を好感した買いが続き4%超の上昇。その他売買代金上位ではトヨタ自<7203>やソニー<6758>が小じっかりで、リクルートHD<6098>や武田薬<4502>は2%前後上昇した。決算発表銘柄では三井ハイテク<6966>が急伸し、ミサワ<3169>はストップ高水準で前場を折り返した。一方、ZOZOが反落したほか、東エレク<8035>や任天堂<7974>もさえない。決算発表のアスクル<2678>は材料出尽くし感もあって売りが先行。ラクスル<4384>はやや売りがかさみ、アイモバイル<6535>はストップ安水準での売り気配が続いた。セクターでは、不動産業、医薬品、水産・農林業などが上昇率上位。反面、証券、銀行業、倉庫・運輸関連業などが下落率上位だった。

 日経平均は9日続伸し、節目の22000円にあと1円まで迫る場面があった。前日までの8営業日の間に日経平均はおよそ1140円も上昇。ECB理事会やSQを通過した後の材料出尽くし感の台頭を懸念する向きもあったが、米中の摩擦緩和が期待される動きやトランプ米政権の減税計画などが明らかになり、株価指数先物に買いが入ったとみられる。個別株を見てもファーストリテやソフトバンクGといった日経平均寄与度の大きい銘柄の堅調ぶりが目立つ。反面、ECBが金融緩和を決定したことを受け、金融株はリバウンド一服といった印象だ。

 日経平均は上に付けたSQ値を早々にクリアし、取引時間中としては5月7日以来、約4カ月ぶりとなる22000円台回復が期待されてきそうだ。とはいえ、16日が敬老の日のため東京市場は3連休となり、来週も17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18~19日に日銀金融政策決定会合といった重要イベントが控えている。後場に入れば目先の利益を確保する売りも出てくるとみられ、日経平均は22000円手前でややこう着感を強める可能性がある。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は9日続伸、SQ値クリアし22000円迫る