日経平均は3日ぶり反落。101.45円安の20377.97円(出来高概算4億3000万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、英国による約5週間の議会休会が明らかとなり、合意なきEU離脱への懸念が強まったことから売りが先行したが、原油相場の上昇や一部主要企業決算が好感され、主要3指数は揃って反発。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円高の20515円となり、円相場は朝方にかけて1ドル106円台を回復するなど、外部環境の落ち着きを背景に本日の日経平均は買い先行でスタート。しかし、先物が小幅な上昇に留まったことから、寄り付き直後に日経平均はマイナスに転じた。前場中ごろに開始されたアジア株式市場も軟調な出足となるなか、海外短期筋による指数先物に対する売りが観測され、日経平均は前引けにかけて下げ幅を拡大する展開となった。

 セクターでは、サービス業が1%を超える下落となったほか、ゴム製品、精密機器、繊維製品、非鉄金属などがさえない。指数インパクトの大きいところでは、前引け時点で7%安になったリクルートホールディングス<6098>が1銘柄で日経平均を約26円分押し下げた。同社は、大株主13社が持つ政策保有株1億2150万株の売出(オーバーアロットメント分を含む)実施を発表している。売買代金上位では、KLab<3656>が7%安になったほか、東京エレクトロン<8035>、ZOZO<3092>、三菱商事<8058>、ホンダ<7267>、神戸物産<3038>が軟調。一方で、トヨタ自動車<7203>との資本提携が材料視されたスズキ<7269>が1.5%の上昇になったほか、ソフトバンクG<9984>、楽天<4755>、SUMCO
<3436>、武田薬<4502>、アドバンテスト<6857>は堅調。

 市場では、米中貿易摩擦長期化に対する懸念に加えて、ジョンソン英首相が10月中旬までの議会休会の方針を表明したことに伴い、10月末の欧州連合(EU)離脱期限までの議会審議時間の大幅短縮が想定されており、合意なき離脱への懸念も不安材料になっている。週末にかけては米中欧における経済指標発表が集中するなかで、景気敏感株のショートカバーによる戻りの側面が強かった日本株に対する押し目買いの動きは現状限られている。本日は、TOPIXリバランスとJPX400の定期入替えに伴うリバランス需給が発生するため見た目上の売買代金は2兆円を超えてくる可能性があろうが、前引け時点での東証1部の売買代金は1兆円を大きく割り込んでおり、やはり個別物色による商いは膨れていない状況とみられる。

 直近の価格帯売買高において商いの集中している水準である節目の20500円処では上値の重さが意識されるなか、為替市場でも円安方向に振れていたドル円相場も動きが一服しており、朝方に提携の材料視された自動車セクターにおける大手2社の株価の動きも次第に鈍くなって来ている。新規の材料難ということもあり、物色は好業績銘柄に対する見直しの動きや円高メリット銘柄を主体とした地合いになりそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は3日ぶり反落、円安一服やアジア株安を嫌気、物色対象も限られる