日経平均は大幅に4日続落。313.26円安の21142.75円(出来高概算9億8000万株)で前場の取引を終えている。

 7日の米株式市場でNYダウは200ドル安と4日続落し、3週間ぶりの安値となった。欧州中央銀行(ECB)によるユーロ圏経済成長見通しの下方修正を受けて欧州株が全面安となり、米国株も売りが先行。世界経済の減速懸念が意識され、終日軟調だった。為替相場はリスク回避目的の円買いにより1ドル=111円台半ばとやや円高方向に振れ、本日の日経平均はこうした動きを嫌気して116円安からスタートすると、寄り付き後も下げ幅を広げる展開となった。前場中ごろを過ぎると21102.79円(353.22円安)まで下落する場面があった。東証1部の値下がり銘柄は全体の9割強。なお、先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)は概算で21348.40円となっている。

 個別では、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>など売買代金上位は全般軟調。トヨタ自<7203>などは小安い。任天堂<7974>が2%超下落したほか、東エレク<8035>やSUMCO<3436>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株の下げが目立つ。また、今期業績予想の修正で赤字幅拡大が嫌気された川崎船<9107>が急落し、東証1部下落率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではルネサス<6723>が逆行高。前日の工場停止報道を受けた急落は行き過ぎとの見方が多く、売り一巡後に反発した。内需・ディフェンシブ系銘柄の一角に逃避資金が向かい、NTT<9432>は小じっかり。積水ハウス<1928>は今期増益見通しを受けて買われた。また、防衛関連の石川製
<6208>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、全33業種がマイナスとなり、海運業、保険業、証券、機械、非鉄金属が下落率上位だった。

 週前半から日米の株高一服が意識されつつあったが、週末にかけて日経平均は値を崩す格好となった。ECBによるユーロ圏経済成長見通しの下方修正で世界経済の減速懸念が広がり、市場環境は一変しつつある。個人の投資マインドに影響の大きい北朝鮮情勢を巡る地政学リスクへの警戒感も再燃し、マザーズ指数は3%超の下落で前場を折り返した。日経平均の日足チャートを見ると、21230円近辺に位置する25日移動平均線を割り込み、次は22020円近辺に位置する75日移動平均線レベルで下げ止まるかが焦点となる。

 今晩の米国では2月雇用統計や1月住宅着工件数といった経済指標の発表が予定されており、これらを見極めたいとの思惑から積極的な買いが手控えられるなかで、先物の断続的な売りが相場の重しとなりそうだ。アジア市場も中国株など全般さえない。後場の日経平均は75日移動平均線レベルでの攻防となりそうだが、下に振らされる場面が出てくることも警戒しておきたい。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は大幅に4日続落、75日線レベルで攻防も買いづらさ