日経平均は続落。123.18円安の21603.10円(出来高概算4億5000万株)で前場の取引を終えている。

 5日の米株式市場でNYダウは13ドル安と小幅に続落。中国が2019年の国内総生産(GDP)
成長率目標を引き下げたことを受けて売りが先行すると、米中通商交渉の動向を見極めたいとの思惑からもみ合う展開となった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで67円安からスタートすると、先物の断続的な売りで下げ幅を広げ、前場中ごろには21556.12円
(170.16円安)まで下落する場面があった。売り一巡後も押し目買いの動きは鈍く、安値圏でのもみ合いとなった。東証1部の値下がり銘柄は全体の5割強となっている。

 個別では、ファーストリテ<9983>が3%下落して日経平均を約61円押し下げた。前日に決算を受けて大きく売られたピジョン<7956>が本日も大幅続落し、SUMCO<3436>や大東建<1878>も下げが目立った。大東建については一部報道を嫌気した売りが出ているようだ。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>などが軟調で、トヨタ自<7203>やキーエンス<6861>は小幅に下落。また、くら<2695>は第1四半期の減益決算や2月既存店売上の低迷が嫌気されて急落し、東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂
<7974>や楽天<4755>が堅調で、ZOZO<3092>、ソニー<6758>、村田製<6981>は小幅に上昇。サイバー<4751>は4%超高と上げが目立った。また、防衛関連として物色が向かった石川製<6208>や「ハローキティ」のハリウッド映画化が買い材料視されたサンリオ<8136>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、医薬品、小売業、石油・石炭製品などが下落率上位。反面、海運業、その他製品、サービス業などが上昇率上位だった。

 本日は朝方から売りが先行し、日経平均は3ケタの下落で前場を折り返した。ファーストリテ1銘柄の押し下げ幅が大きい印象はある。アジア市場では中国・上海株などが底堅く推移しており、後場に入れば日銀による上場投資信託(ETF)買い入れの思惑も広がるため、一段と売り込まれる流れとはならないだろう。とはいえ、米中通商協議が佳境を迎えるなかで米国株に上げ一服感が出てきており、積極的な押し目買いは手掛けづらい。中国を中心とした世界経済の減速懸念も株式相場の重しで、今晩発表される米国の2月ADP雇用統計、12月貿易収支などの内容を見極めたいとの思惑が出てくるだろう。前場の東証1部売買代金は概算で8400億円にとどまっており、投資家の手控えムードが窺える。後場の日経平均はマイナス圏でもみ合う展開が続きそうだ。

 本日はマザーズ指数も4日ぶりに反落している。前日に相場のけん引役となったサンバイオ<4592>を中心に利益確定売りが優勢。一方でジーニー<6562>などが値を飛ばしており、個人投資家の物色意欲は根強いとみられるが、相場全体の地合い睨みでといったところだろう。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は続落、押し目買いの手掛けづらさ意識