日経平均は4日続伸。214.12円高の22839.85円(出来高概算7億1155万株)で前場の取引を終えている。6日の米国市場では、ムニューシン財務長官が、トランプ大統領にカナダに対する鉄鋼及びアルミニウムの輸入関税の適用免除を進言していることが報じられたほか、前日の中国政府による700億ドル相当の米農産物・エネルギー購入の提案など貿易摩擦を巡る先行き不安が後退したことで買いが先行。また、ハイテク株にも買いが続いており、堅調推移となった。6日のシカゴ日経平均は大証比110円高の22750円で引けており、これにサヤ寄せする格好から本日の東京市場では買いが先行した。その後も、1ドル=110円を超えて推移する為替市場における円安進行を背景に、自動車株などの輸出関連銘柄が上げ幅を拡大し、日経平均は200円高となった。

 東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の約7割程度を占めた。業種別では、非鉄金属、化学、 証券商品先物取引などが上昇。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>、ダイキン<6367>などが上昇。資生堂は、成長戦略に向けた3C改革の成果と日本化粧品需要増などが中長期に業績をけん引するとして国内証券が投資判断を引き上げたことが材料視された。

 8日に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが増加するなか、これまでは戻りの鈍さが目立つようだと資金の逃げ足が速くなる可能性が警戒されていた。しかし、米株高や円安進行を背景に海外投資家による先物買いの動きも順調に観測された。米長期金利の持ち直しを受けてメガバンクが買い戻されているほか、メルカリ<4385>などの注目度の高いIPOを控えた換金売りの思惑から前日までJASDAQ指数が3日続落、マザーズ指数は連日年初来安値を更新するなどの弱さが目立っていた中小型株には、本日自律反発の動きがみられている。これを受け、短期的に売りこまれていた中小型株や金融セクターに対する売り方による買い戻しの動きも意識されやすいだろう。

 一方で、来週12日の米朝首脳会談や、日米欧の金融政策決定会合などの重要イベントを控え、23000円台に接近すると戻り売り圧力が強くなりやすい点には注意が必要だ。後場も引き続きインデックスに絡んだ商いが中心にはなるなか、前引け直後の225先物にはレンジを切り下げる動きもをみられており、次第に日経平均の上値が重くなる展開は視野に入れておきたい。
(雲宮 祥士)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は4日続伸、中小型株や金融セクターに対する買い戻しの動きを意識